産前産後休暇とは

 

産前産後休暇とは、労働基準法第65条で定められたものです。

 

労働基準法第65条(産前産後)

 

1、使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあつては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

 

2、使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。

ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

 

3、使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

 

産前6週間

この期間は、労働者の請求があって付与するものです。

請求がない場合は、付与する義務はありません。

出産当日は、産前6週間に含まれます。(昭25.3.31 基収4057号)

 

産後8週間

産後6週間は勤務させることはできません。

ただし残りの2週間については、医師が認めれば就労は可能とされます。

産後休業は現実の出産日を基準としてカウントしますので、出産が予定日より遅れても産後休業が短縮することはできません。

 

産前産後でなく有給休暇を取得できるか?

 

上記のように産後6週間のみは勤務できないとなり、その他は労働者の請求がない場合には、勤務ができます。

この期間について有給休暇申請をしてくるということがあります。

産前産後の場合は、無給であることが多いので、有給で賃金を得たいという考えからだと思います。

この場合も、原則、有給申請を認める他ないとなります。

 

産前産後休暇の期間の賃金

 

無給でも良いとされます。

もちろん、会社が認める場合には、有給でも差し支えありません。

 

産休中と産後30日の解雇はできない

 

労働基準法第19条において、産前産後休業の期間と、その後30日間は解雇はできないとされています。

 

労働基準法第19条(解雇制限)

使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が労働基準法第65条(産前産後)の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。

 

産前産後期間と賞与

 

下記の代々木ゼミナール産休事件において、賞与支給要件に出勤率要件がある場合、産休を欠勤扱いとすることは違法と判決されました。

 

平18 代々木ゼミナール事件 東京高裁

判決によると、賞与は出勤率90%以上の職員にだけ支払われる。

92年に産休を欠勤とみなす条項を新設し、女性が出産・復職した後の95年夏に育児による時短を欠勤とみなす条項を付加。

女性は時短分だけで16%欠勤した計算で、賞与の支給対象から外された。

第一小法廷は「産休と時短の日数に応じて賞与を一定の範囲内で減額する部分はただちに公序に反するとはいえない」とし、二審・東京高裁判決が2回分の賞与全額約126万円を支払うよう代ゼミ側に命じた部分は破棄した。

しかし、産休や時短に関する条項の追加が、合理性のない就業規則の不利益変更にあたるかどうかなどについてはさらに審理を尽くさせるため同高裁に差し戻した。

泉徳治裁判官は代ゼミ側の上告は棄却すべきだとする反対意見を述べた。