有給と休日出勤を相殺

 

この2つはともに会社から見れば休むということに違いはありません。

しかし有給休暇と休日出勤とは法的性質の違うものであり、相殺させるのは違法的にも感じると思います。

今回はこの相殺について法的観点から説明をしたいと思います。

 

休日出勤をしたので有給休暇を代休ししなさいと指導

 

たとえば以下のようなケースがあったとします。

 

  • 日曜日 本来は休日であるものの休日出勤
  • 火曜日 有給休暇の申請をする

 

このときに火曜日の有給申請を認めず、火曜日を日曜日の代休扱いにして休みなさいと会社が労働者に指導するというケースです。

このような場合にまず出てくる問題としては火曜日の有給申請を断っているということです。

会社には有給休暇の申請に対して拒否権はないです。

そのため今回のように代休にするべきという指導権のようなものは会社にはありません。

しかも代休は認めるということで出勤しないことについては会社は了承しているわけで、有給休暇の時季変更権も行使しなくても良いと自ら認めていることになってもいます。

労働者からすれば代休よりも有給休暇の支給額のほうが大きいことが多いわけで、当然のように有給休暇を申請したいとなってくるのですが、それを拒否するだけの権限は会社にはないということになります。

有給休暇の拒否を会社はする権限はない

有給休暇についての労使での法律上の権利と義務

 

有給休暇と休日出勤とを同月に取得できるか?

 

この2つの両方を同月に取得することは法的に何の問題もありません。

たまに余裕のない会社で有給休暇を消化させられないという事情もあるのでしょうが、

 

  • 月ごとの休みの日数を増やせない
  • もともと休日にしていた日のどれかを強引に有給休暇扱いにする

 

などといった会社もあるようですが、法的には話になりません。

有給休暇というのはもともと出勤義務のあった日にしか消化できないので、このような対応は違法です。

うちは小さな会社だからと猶予を求める会社も多いのは承知していますが、有給休暇は2015年現在国の基幹的な政策の1つとなっています。

有給を取得させて出産数を伸ばすという意向が国にあり、今後も中小企業に関係なく罰則は厳しくなってくるでしょう。

企業規模に関係なく甘えずにしっかりと対応していく必要があります。

有給休暇は公休日に取得はできない

 

有給休暇と休日出勤や振替休日との優先度

 

会社から見れば

 

  • 休日
  • 有給休暇
  • 振替休日
  • 代休

 

とどれでも基本的には出勤しないという点では同じように見えるはずです。

しかし法的には効果や意味が違うので優先順位が問題となることは多いです。

冒頭でも休日出勤と有給休暇の優先について記載をしましたが、他にも代休や振替休日と有給休暇との優先度もよく問題となります。

就業規則において特にこの点に規定がなければ、労働者が有給休暇の申請をすれば振替や代休に優先すると考えられます。

しかしこの優先度(ただし休日出勤については除きます)を就業規則に規定していれば、原則としてその優先度に従い運用することは違法ともいえないと思います。

代休・振替休日と有給休暇の優先順位

 

有給休暇と行政への通報

 

有給休暇単独で労働基準監督署に通報してもどうにもならないことは多いです。

ただし賃金関係(たとえば未払い賃金の問題)となってくると有給休暇でも行政の管轄となってくることもあるでしょう。

今回のケースでいきますと、

 

  • 不当に有給休暇の申請を拒否された
  • 本人は有給のつもりで休んだものの、実際の賃金は代休分しかない

 

というような場合です。

在職中に訴えることも可能ですが、退職後でも2年といった消滅時効にかからない間であれば解決となることもあるでしょう。