出向と有給休暇

 

有給休暇は在職中にしか権利として消化することはできないとされています。

そのため出向でも別の法人所属になったのだから当然に有給休暇もゼロからのリスタートだろうというようなところもあるようです。

 

有給休暇と出向

 

たしかに出向では所属する法人は変わります。

ケースとしては

 

  • 在籍出向
  • 転籍出向

 

とがあって在籍出向というのは元の法人に籍をおいたまま別の法人で勤務することです。

そのため将来的にはまた元の法人に戻ることが前提となっています。

しかし転籍出向の場合には戻ることはありません。

元の法人との労働契約を解消し、通常の場合でいうところの退職という形をとり、新しい法人に入社をして労働契約を新規に締結することになります。

この在籍出向の場合、勤務先が変わっただけで籍は元の法人にあるままです。

退職したわけではないので有給休暇は当然に残っていて、新しい法人でも日数は以前と同日数残っているといえます。

 

昭63.3.14 基発第150号

在籍出向している労働者については、出向元における勤務期間を通算した勤務年数に応じた有給休暇を付与しなければいけない

 

あと問題となるのは退職という形をとる転籍のほうとなります。

 

転籍と有給休暇の消滅

 

転籍については上記にも記載しましたが労働契約を一旦解消し、別の法人に転職したようになります。

ここに雇用の継続はないというようになるので、原則として有給休暇もなくなってしまうということになります。

在籍出向をしていて、そのまま転籍となることもありますが、このような場合でもやはり有給休暇はゼロになってしまいます。

ただし転籍でも

「Aという法人があって、その法人はBとC社というように分割する」

というような形もあります。

この場合、AからBやC社に転籍といっても、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律によって有給休暇は消滅しないといえます。

また転籍でも個別に今までの有給休暇を残した状態で転籍するというような協定を締結することもあるようです。

この場合にはこの協定に基づき、有給休暇は残っていて行使できると考えられます。

転籍の際に何か契約書や書類のようなものでこの有給休暇について規定されていることもありますので、そのときの書類を再度確認しておきましょう。

 

出向の確認と有給休暇の日数

 

出向にも2つのケースがあって、有給休暇の権利を考えたときにはどちらの出向に該当するのかを確認することが非常に重要です。

これによって有給休暇の日数については結論がまったく逆になってくるからです。

会社によってはこのあたりの法律に精通していないということで、在籍出向であっても有給休暇はゼロにするというような間違った運用となっていることもあるようです。

この場合には会社に話をすることで誤りを正すことも問題はありません。