労働者の家族がインフルエンザになった

 

インフルエンザは感染することがあるので、ある程度職場でも管理しておかないと大量の労働者が同時に罹患し、仕事が回らなくなるということもあります。

労働者本人が新型インフルエンザに罹患した場合には、仕事を休ませるということが必要となってきます。

この場合、休業手当の支給義務はないとされています。

以下のページでは行政通達(平8.8.9 基発511号)によってその根拠があることを説明しています。

休業手当

要するに法令的に新型インフルエンザに罹患した労働者がいれば休ませるという措置が定められていて、使用者命令による休業ではないので休業手当の支給は必要ないということです。

ただこの行政通達でも判断が難しいのが

「労働者の家族がインフルエンザにかかり、その家族を起点としたインフルエンザが会社に流行することを休業手当の支給をすることなく予防できるのかどうか?」

ということです。

インフルエンザの場合、家族間では割合高い確率で感染し、労働者の家族から始まり、会社に流行するということはありえることです。

しかし家族が罹患したという段階では、労働者本人はまったくインフルエンザの兆しもなく休みを伝えれば疑問に感じる人も多いでしょう。

場合によっては休業手当の支給がなければ無給となるのですが、無給で休むことに反発する労働者も出てくるかもしれません。

 

休業手当の支給義務についての判断基準

 

この点について厚生労働省はQ&A形式で回答をしてくれていますが、それによれば

「濃厚接触者について保健所から自宅待機など「協力要請等」がなされたとき」

には休業手当の支給は必要ないとされています。

この場合の濃厚接触者とは今回のケースでいえば、インフルエンザに罹患して毎日接する労働者が該当します。

そしてそのような労働者を休みにして休業手当の支給義務がないのは

「保健所の要請があったとき」

とされています。

つまり保健所の要請もなく、会社が独自に休ませたという場合には休業手当の支給義務があるとなってしまうということです。

 

休業手当ではなく有給にしても問題ないのか?

 

しかし労働者からすれば休業手当では日給換算にすれば満額ではありません。

一方で有給休暇とは基本的に満額に近い金額なので、金額的には有給休暇のほうが高額となります。

ですので休業手当ではなく有給休暇にして欲しいというような考えになることも多いです。

有給休暇とは

「労働義務のある労働日について就労義務の免除を得た日」

のことを指します。

長い目でみれば、今回のことで有給休暇を無駄に消化してしまうということもあります。

その結果、将来的に有給休暇が不足して、無給の欠勤となることも出てくるかもしれません。

しかし今回のケースでは本来の労働日に休むということで、労働者に有給休暇の使用の意思があるのであれば、休業手当ではなく有給休暇としても厳密には違法とまではいえないと考えます。

会社としては有給休暇のほうが賃金が高くなってしまうのですが、有給休暇の消化を拒否する権利は会社にはないので悩み所かもしれません。