異動の相談先は労基署

 

世評、異動についてトラブルになれば労働基準監督署に相談というようにアドバイスされることも多いかもしれません。

しかし行政には行政の管轄があって、何でも労働基準監督署に相談して解決してもらえるかといえばそうでもありません。

 

労働基準監督署の是正勧告の対象

 

通常、

 

  • 相談を受ける
  • 違法状態が確認される
  • 調査をして違法状態があれば是正勧告

 

というように流れがあります。

詳しくは以下を参照。

労働基準監督署への匿名通報は会社にばれてしまうのか?

労働基準監督署への通報は代理人でも可能か?

是正勧告とは?

是正勧告チェックシート

しかしこのような動きになるのは「労働者の安全や健康に特に緊急の危険性のあるとき」に限定されるといえます。

そのため主に

 

  • 長時間労働があるとき(月80時間以上の残業があるとき)
  • 労災事故があったとき

 

といったようなことが主な管轄ケースといって良いでしょう。

残業代の未払いという問題の相談も多いと思いますが、実はこれは民事問題です。

労働基準監督署では刑事問題を中心に扱うわけですので、本来何か動きをとってくれるというものでもないともいえます。

ただし月の残業時間がたとえば80時間以上など異常な労働時間があって、その結果賃金の未払いもあるというときにはじめて是正勧告が出るというようになりえるということです。

つまり労働者の健康に危険性もあって、その結果民事である残業代の未払いの是正に動いてくれるということで結果論ともいえます。

そのため残業代の未払いがあったとしても、残業が月に10時間程度しかないという場合にはどこまで解決が図られるかはわからないということです。

世評、「労働基準監督署は動きが悪い」というように言っている人も多いわけですが、これは労基署の機能や役割を十分に知らない段階で相談に行ったりしたときの感想といって良いでしょう。

 

人事異動とその相談先

 

減給、解雇、不利益な労働条件の変更など多々トラブルになる要素はあります。

上記を見ればわかりますが、これらはかなり深刻な問題であっても管轄外ということです。

労働基準監督署は解雇の相談に乗ってくれない?

行政には行政の管轄があるので仕方がないことだといって良いでしょう。

異動もそうですが、基本的に会社と労働者とが契約をするわけですが、これは当事者で話し合いをして決めることでもあり、また変更することでもあります。

この点、行政ではなく私的に双方で決めることとなっています。

そのためときにトラブルとなることもあるわけですが、本来は訴訟といったような方法で解決するしかありません。

費用がかかりすぎるということであれば

 

  • 労使で話し合う
  • 労働審判をする
  • 社外の合同労組に加入する

 

といったことになります。

基本的にどの方法にしても本人たちで解決できないということで社外の人間を仲裁などに入れるわけですが、その時点で労使の信頼関係は崩壊しつつあるといって良いでしょう。

そのためこの種のトラブルになった時点でほぼ退職することが前提といっても良く、たとえ異動で思う通りに解決できたとしても居づらくなることは避けることができません。