たらい回しの異動



通常、転勤や配置転換といえば3年おき、2年おきといった割合中長期的な間隔で行なわれることが多いでしょう。

中小企業においてはもっと長い間隔での異動しかないということもあると思います。

今回の話は実際に相談を受けたことのあるものですが、他にも該当する人かもしれません。

異動でたらい回しにされてしまう理由と苦悩



その人によれば


  • 経営不振で退職者が続出し、穴が空いたところにとりあえず既存の社員を充てて埋める
  • 新しい仕事に慣れた1年程度でまた異動
  • このような短い期間での異動が何度もあり心身ともに疲れきってしまった



ということのようです。

昨今の経済状況や、居心地の良くない企業では毎月のように退職者が出るようですが、その穴埋めのために頻繁に異動があるということのようです。

慣れたころにまた転勤や配転があるということで始終疲労が蓄積していくようで、苦悩をしていました。

労働基準法と異動に関する規定



このような異動について法律ではどのような規定となっているのかということですが、結論からいいますと

何の規定もない

ということが現状です。

したがって今回のような異動の時間的な間隔についても特に決まりもないので、極端にいえば1年どころか半年ごとの異動でも違法性はないということになります。

つまり労基法に違反していないので、労基署といったところにも相談できないということです。

異動の間隔に限らず、異動は民事問題ということで刑事を管轄する行政では解決できません。

異動を一定程度制限する判例



もちろん上記のように労働基準法などの法律は人事異動について沈黙していますが、裁判では一定の制限があります。


  • 不当な目的の異動
  • 業務上必要性のないような異動



などが禁止されるものですが、これも会社と戦うという姿勢がないと意味はありません。

最低でも会社と話し合いをすること、もしくは弁護士さんに依頼をして裁判をする気持ちまであることということが前提条件です。

しかしここまでして会社の体質を変えるのであれば、転職したほうが話が早いかもしれません。

特に今回のケースでは会社の景気も良くないということで、給与も上がらない可能性もあるわけです。

今後も違法的な措置もあるかもしれませんし、景気次第では異動の間隔やその程度も悪化することもあるでしょう。

異動に関して悩んでいる人が多いということは今回の一件であらためて感じますが、法的に勝つことは難しいので、今後の展開を見ながらそのまま会社に残るか退職するのかを検討していくべきではないでしょうか?