定年ではなく異動

 

現在の法律では定年というのは60歳以上にしなければいけません。

今まではこの60歳という年齢になったときに一律に定年で退職というようにされてきましたが、このときに異動で対応するということも可能です。

 

60歳以降は異動で対応

 

2012年に高年齢者雇用安定法の改正がありました。

これによって60歳以降も

 

  • 定年の定めの廃止
  • 再雇用制度の導入
  • 定年の引き上げ

 

という対応を企業は採用しなければいけなくなりました。

平成25年3月31日までに労使協定を締結して再雇用基準を規定していた企業についてはともかく、その他の企業については(ほとんどが労使協定の締結はしていなかったと思いますので)65歳までの再雇用契約の提示をしなければいけないとされています。

今回の定年後の異動ということに関していえば、このうち再雇用が該当します。

多くの企業ではこの再雇用制度を導入することで高年齢者雇用安定法の改正に対応していると思いますが、

 

  • 定年前よりも業務量を減らす
  • 出勤日数を減らす
  • 労働時間を減らす
  • 役職なども解任して嘱託契約などとする
  • 給与体系としては時給制

 

といったような再雇用制度を導入しているといえます。

この点、仕事内容が変わったり、責任が軽くなったりして異動といえば異動といえるでしょう。

 

65歳以降の勤務と再雇用契約

 

企業からすれば労働者ごとに体力、能力などは大きく違うので一律に定年とすることはあまり得策ではないと思います。

実際には

 

  • Aさんは体力に問題があるので65歳で退職
  • Bさんはまだ働けるので70歳くらいまで会社にいて欲しい

 

といったようなことは多いものです。

60歳の定年は現実的にはその後も再雇用しなければいけないのでほぼ存在しないようなものですが、65歳というのは今ではより重要な区切りです。

しかしこの65歳というタイミングで上記のように労働者ごとで状態は大きく違うのが実際のところです。

現実的に上記のように65歳の段階で労働者の状態ごとに再度再雇用契約などを個別に提示できるのかということですが、法的にはもちろん可能ではあります。

ただリスクがあるとすれば

 

  • 65歳以上となって契約を提示するかどうかの基準が明確にできるのか?
  • 65歳で退職となった労働者に再雇用契約の義務があると訴訟を提起されることもある

 

というところではないかと思います。

この提示するかどうかの基準はどれほど明確にしてもやはりトラブルは100%なくなることはないと思いますし、またいろいろなことを言ってくる労働者もいます。

労働力が不足するということで65歳以降に再度契約提示するという場合にはこのあたりはケアした上で(ケースによっては専門家に依頼してでも)より安全に運用していくと良いと思います。