懲戒解雇が有効となるケース

学歴詐称

 

学歴詐称によって、本来得れなかった賃金等を得て、企業秩序を乱したとして懲戒解雇は有効とされます。

 

職歴査証

 

職歴の詐称によって高額な賃金を支払っている場合は、懲戒解雇は有効とされます。

 

東京地判 平16.12.17 グラバス事件

「JAVA言語能力がほとんどないのにあるかのような経歴書を記載し、面接においても同趣旨の説明をしたのは、懲戒解雇が有効」

 

犯罪歴を詐称していた

 

犯罪歴詐称では、すべての犯罪歴で懲戒解雇が有効となるとは限りません。

以下の判例では、犯罪歴を面接等で説明しなくても良いという趣旨となっています。

そのため、会社としては、犯罪歴については、面接で質問をし、ここで虚偽報告があれば、判明した時点で懲戒解雇を検討するという流れになります。

 

仙台地判 昭60.9.19 マルヤタクシー事件

「既に刑の消滅をきたしている前科まで告知すべき信義則上の義務を負うものではない」

 

規律違反

 

セクハラ

  • 強姦・強制わいせつにも該当するようなケースでは懲戒解雇も有効とされます。

 

ストーカー行為

  • 懲戒解雇は有効となりにくいので、通常の解雇での契約解消で検討します。

 

横領・背任行為

  • 重大な企業秩序違反となり、通常は懲戒解雇が有効とされます。
  • しかし仕事上のミスを隠匿するために、一時的に(横領)して後日経理上の矛盾をなくすような操作では、懲戒解雇は困難です。

 

業務命令違反

 

懲戒解雇が有効となりやすいケース

  • 時間外労働命令の拒否
  • 職種変更・転勤命令の拒否
  • 出向命令の拒否

 

懲戒解雇が無効となりやすいケース

  • 通常業務の命令の拒否(この場合、懲戒解雇ではなく普通解雇で対応しなければいけません)
  • 休日労働命令の拒否

 

職務怠慢

 

著しい職務怠慢でも懲戒解雇は原則できないとされます。

この場合、通常の解雇を検討します。

 

企業秘密の漏洩

 

この場合、通常は懲戒解雇が有効とされます。

 

副業

 

従業員が就業中・就業外に副業をしているケースがあります。

この場合、両方のケースで懲戒解雇をできないとはいえないという判例の流れです。

 

不倫

 

社内不倫は、一方の配転を検討します。

ただし性交渉があった場合は、解雇までは有効となると思います。

社外の取引先等との不倫いついては、懲戒解雇まではできないこともありますので、解雇を検討します。

 

私生活上の行為での懲戒解雇

 

飲酒運転

 

私生活での飲酒運転事故であっても、以下のケースでは懲戒解雇が有効となることがあります。

 

  • 飲酒運転事故が事業活動に直接関連する場合(例えば、バス・タクシー事業を営んでいる場合等が、これに該当します。)
  • 会社の社会的名誉・信用が害される場合

 

刑事事件

 

痴漢行為は原則、懲戒解雇でなく、降格等で対応します。

事業場内で暴力・脅迫を行う従業員は、懲戒解雇も可能です。

ただし、事業場外での暴力・脅迫事件では、懲戒解雇は難しいので、他の懲戒処分を行います。