解雇制限と不完全な労務提供



労働基準法第19条では

「業務上負傷、疾病にかかり療養のため休業する期間とその後30日間は解雇はできない」

となっています。

この場合に問題となるのが、休業中に一旦出勤してしまうようなケースです。

まだ完全に治癒はしていないものの、


  • リハビリ的な事情
  • ちょっとした用事をするための出勤



といった出勤などを一旦行った場合にその後30日後に解雇制限が解除されるのかどうかという問題があります。

労基法第19条と行政通達



この件に関しては行政通達が出されています。


昭和24.04.12基収 第1134号

業務上負傷し又は疾病にかかり療養していた労働者が完全に治癒したのではないが、労働し得る程度に回復したので出勤し、元の職場で平常通り労働していたところ、使用者が就業後30日を経過してこの労働者を20条に定める解雇予告手当を支給して即時解雇した場合は本条に抵触しない



ここからもわかりますように


  • 労働し得る程度
  • 平常通りに労働できる



という要件が解雇制限の解除には必要ということがわかります。

また完全な治癒でなくても解雇制限の解除となることもあることも把握できます。

「労働し得る程度」「平常通りに労働できる」というのはたしかに基準としては曖昧にも思えますが、例えば所定労働時間を労働することができるといった場合には解雇制限の解除要件にも該当することもあるのではないかと思います。

中途半端に出勤しない



解雇か、継続して労災を受給するのか?というのは労使で非常にトラブルになりやすいところです。

労使としても、医師の判断等が出るまでは中途半端に出勤させることはトラブルの元ではないかと思います。

平常通りに勤務できるというところまで(もしくは医師の診断が出るまで)は下手に出勤させないほうが良いかもしれません。