合意退職と辞職

 

あまり聞きなれない言葉かもしれません、退職において非常に重要となる概念です。

一般に混同されて使用されていることが多いです。

 

合意退職

  • 労使で就業規則の「○ヶ月前までに退職の申出を行う」といった規定に沿って退職日について合意を行い退職すること

 

辞職

  • ある種、一方的に労働者から退職日の通知を行うこと
  • 違法ではなく正当な労働者の権利とされます
  • 会社の承諾なしに退職します

 

辞職の場合、最短で14日後に退職が成立します。

引継ぎも問題となることもありますが、労働者には強い退職の権利があるので仕方がありません。

 

就業規則の規定

 

多くの就業規則がある会社では

 

  • 自社で何かのサンプル就業規則で作成した
  • 社会保険労務士といった専門家に依頼して作成した

 

といったような作成だと思いますが、その場合就業規則を確認すると上記の2つの概念の規定が含まれていると思います。

もしない場合はあまり良い就業規則でないといえ、他の規定でも多くのリスクを抱えた就業規則といえるでしょう。

就業規則自体がない会社でも合意退職と辞職は原則活用しても問題はないと考えます。

 

合意退職の場合、退職日を延長できる

 

「辞職による退職です」

と明示された場合はどうにもなりませんが、通常はもっと曖昧に退職の申出がなされると思います。

その場合、労使で話し合いによって退職日を後ろにずらすことも可能です。

しっかりと話し合いによって合意を形成するようにしてください。

 

有給休暇の消化

 

労働者によっては有給休暇の消化をしたいという場合もあります。

この場合も退職日以降は有給休暇を使用することができないので、

 

  • ある程度の有給休暇を消化させる
  • 引継ぎの期間も確保する
  • 有給休暇を買取る

 

といった方法があります。

詳しくは以下を参照してください。

退職前の有給休暇消化

 

合意退職の規定自体が違法な会社も多い

 

「退職の申出は3か月前までに行うこと」

といった余計に長大な退職期間を設定している会社もあります。

このような規定は違法となる可能性もあり、当然に無効です。

2か月前程度ではかなり高い確率で違法ではないと思いますが、それ以上長い期間の設定は保障できません。

「3か月だから」

と違法な規定を全面に出して交渉することは止めたほうが無難です。

あまり強行すると強制労働となり、懲役刑もある違法行為となり、労働基準監督署の是正勧告を受けることもあります。

 

パートタイマーの辞職

 

パートタイマーでは原則、就業規則の「○日前までに退職の申出をする」という規定に沿って退職をさせます。

これは合意退職ですが、辞職ということも多いのがパートタイマーです。

民法628条において、「やむを得ない事由」があるときは直ちに退職することができるとされています。

このような定めはあるものの、実際には「やむを得ない事由」があることは少ないと思います。

そのため現実問題としては、合意退職を適用することが多いと思います。

また就業規則の規定よりも早く退職したいということも多いとは思いますが、これに違反したとしても損害賠償するのも費用の問題で困難です。

ですので

「就業規則の合意退職の期日の範囲内で退職日を双方で妥協する」

ということが現実的ではないかと考えます。