依願退職と退職届

 

ある意味では依願退職というのは特殊な退職形態といえます。

このような場合に通常の退職届を提出しなければいけないのか、または退職届を提出することでデメリットはあるのかについてまとめてみたいと思います。

 

2つの依願退職の形態

 

依願退職とは法律的な概念ではなく、労使当事者が勝手に呼称していることが多いといえます。

形態としては

 

  • 会社が退職者を募るようなケース
  • 労働者から退職を申し出るケース

 

とに分かれると思いますが、依願退職といっても形態としてはまったく逆ですし、はっきりといえば前者は解雇的ですし、後者は自己都合退職的なニュアンスがあります。

このような場合、退職届の提出をするかどうかは難しいところです。

 

円満退職には退職届の提出が必要か?

 

できれば退職届を提出したほうが手続き的には良いことは良いといえます。

しかしケースによっては退職届の記載内容によって退職後の生活が違ってくることがあります。

たとえば失業保険の受給額が変わってくることがあるということもありますが(後述します)、以下に沿って退職届を提出するべきか、またはその内容はどこに注意をすれば良いのかを確認してから提出するようにしましょう。

 

依願退職と退職届の提出のタイミング

 

上記のような2つの依願退職があるといえますが、基本的には就業規則の規定に沿って提出のタイミングは考えれば良いと思います。

 

  • 30日前
  • 14日前

 

など依願退職の申し出のタイミングについて規定がされていますので、そのタイミングに沿って退職届を提出することを目標にします。

会社によっては退職の申し出を3ヶ月前などと違法的な規定にしていることもあるかもしれませんが、円満退職を望むのであれば違法的な規定にも従うことが無難でしょう。

しかし法的には14日前の申し出でも辞職という適用もあるので十分です。

3ヶ月前、1ヶ月前の申し出でないので解雇、懲戒解雇に無理やりしようとする会社があってもその処置自体に正当性はないでしょう。

また退職の申し出が遅れたからといって解雇とすぐになるという解釈は成立しにくく、通常はそれでも退職日を後にずらしたりして退職日を決めれば良いわけです。

このような話し合いをすることが依願退職なわけで、一方的に労働者の意図に反するような退職のさせ方は本来の依願退職ではありません。

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失業保険の受給

 

退職となれば失業保険の受給を検討する人は多いと思います。

みなさんもよく知っている通り会社都合か自己都合かで失業保険の

 

  • 受給の早さ
  • 受給期間

 

とはかなり違ってきます。

上記でも記載をしましたが会社都合的な依願退職もあるわけですが、この場合でも退職届に一身上の都合などと記載した退職届を提出してしまえば自己都合となりかねないといえます。

解雇といって退職届を提出してはいけないということはないですが、提出するとすれば

 

  • 会社都合であること
  • 自己都合ではないこと

 

明記したものを作成し提出するべきといえるでしょう。

会社によっては解雇を非常に嫌がり、失業保険の離職票でも自己都合にしたい考えることは多いです。

その結果、退職届を自己都合のように書くように指導して提出させるということもあるようですが、よく確認してから提出しなければいけません。

依願退職では失業保険で会社都合となるか?

 

本来退職届の提出に意味はあるのか?

 

しっかりとした会社の場合、退職届の提出はうるさく行ってくるかもしれません。

これは後から退職の意思はなかったといったような法的トラブルになることを予防するためです。

しかし理由も告げずに執拗に退職届を求める場合には、自己都合にして解雇ではないようにして助成金の受給を続けたいといったような何かの会社の意図があるといっても良いのかもしれません。

ただこの提出かどうかについて不必要に争うのも疲れますので、失業保険がしっかりと会社都合になることを確保できれば退職届を提出(もちろん自己都合ではないという記載を含んだ状態で)をしても良いのではないかと思います。