就業規則の閲覧をさせないのは会社が損をします

 

就業規則を作成してはいるが、労働者に見せたくない理由があるということで閲覧ができないようにしている事業所も多いです。

しかしそれによって想定もしていない法的リスクが生じることもあります。

昨今、労働者が退職した後に、弁護士さんや司法書士さんが代理人となって残業代請求等のさまざまな権利の請求を行ってくることがあります。

この際に弁護士さんから、「就業規則が閲覧できないようにしていた」という点を会社の不備として、就業規則の規定を一部適用できないとして、就業規則以上の権利を会社に請求してくることがあります。

就業規則は閲覧できるようにしているという状態で初めて、法的効力を発揮するものとされます。

そのため、閲覧できないのは効力がないという主張になるわけです。

就業規則の閲覧によって、労働者からさまざまなことを言われるのではないか?と恐れる気持ちはあるでしょうが、やはりしっかりと閲覧できるようにして周知を行うほうが法的リスクを減少させられ、良いのではないかと思います。

 

就業規則の閲覧ができないようにしている場合の刑事罰

 

就業規則を閲覧できないようにしていた等の、就業規則の周知義務を怠った場合には、労働基準法第120条1において、30万円以下の罰金の刑事罰の定めがあります。

 

適用となる就業規則の周知方法

 

就業規則の周知方法についてもある程度の法定の規則があります。

以下の3つの方法のうち、どれか1つを採用して労働者に閲覧できるようにしておけばよいとされています。

 

労基則52条の2

  • 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備えつけること(ここでの作業場とは「主として建物別等によって判断する(昭23.4.5 基発535号))
  • 書面を労働者に交付すること
  • 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること

 

労働基準監督署へ通告ができる

 

就業規則が閲覧できないようになっている場合、

 

  • 会社に就業規則の閲覧の請求をしてくる
  • それでも見せない場合は、労働基準監督署に通告ができる

 

となっています。

就業規則の周知には、上記にも記載しましたように、刑事罰が定められていますので、労働基準監督署も動きえる問題です。

また、労働基準法第104条では、この労働基準監督署への通告がなされても、「会社側に労働基準監督署が指導等をした場合でも、使用者は申告をしたことを理由として労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをすること」を禁じられています。