就業規則の有給休暇の規定のポイント

 

労働基準法第89条において有給休暇については、就業規則の絶対的必要記載事項とされ、就業規則には必ず記載しなければならないとされています。

そのため有給休暇を記載しなければならないですが、どうせ記載するなら会社にとって運用をしやすいように記載するのが良いだろうと思います。

有給休暇の規定については以下のような形式があります。

どれを採用するかは会社の自由です。

 

  • 労働者ごとの個別管理
  • 4月1日基準日
  • 4月1日及び10月1 日の基準日併用

 

つまり、有給休暇付与日を年間のどこの日にするかで規定方法が変わるということです。

以下1つずつ紹介していきます。

 

労働者ごとの個別管理

 

有給休暇は入社してからの勤続年数によって一定の法律で定められた日数が発生する休暇です。

労働者個人ごとの個別管理の方式では、この勤続年数をカウントする起算日を各労働者ごとに入社日とする方式です。

しかし入社日はバラバラであることが多く、労働者数が多い事業所では有給休暇の日数の管理はかなり大変となるでしょう。

最も法律に沿って厳格に運用できる方式といえますが、管理が大変であり、どちらかといえば労働者が10人未満等の小規模事業所で運営することに向いている方式といえます。

 

4月1日基準日

 

これは個別管理とは違って、会社自体の有給発生日の起算日をすべての従業員を一律に管理するという方式です。

つまり全従業員は毎年4月1日に有給休暇が発生します。

このような有給休暇での基準日での運営は違法ではないとされています。

 

平6.1.4 基発1号

有給休暇の斉一的取扱いや分割付与は、以下の要件を満たす場合、差し支えない

  • 斉一滴取扱いや分割付与により法定基準日以前に付与する場合の8割出勤要件の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすこと
  • 次年度以降の年休付与日についても、初年度付与日を繰り上げた期間と同じまたはそれ以上の期間を法定基準日より繰り上げること」

 

つまり、4月1日基準日とする形式では、

 

4月1日から9月30日に入社した場合

  • 入社して最初に到来する4月1日に勤続1年6月とみなして有給休暇11日を発生させるとなります。

 

10月1日から翌年3月31日までに入社した場合

  • 入社して最初の4月1日に勤続6月として有給休暇10日を発生させます。

 

この場合、個別管理よりも管理は楽になりますが、欠点としては、会社にとって損が生じる場合があるということです。

例えば3月31日に入社した場合、翌日には有給10日が発生してしまうということとなります。

そのため最も管理・有給発生で労使両者で公平といえるのは、下の有給休暇の発生基準日の併用という形式となります。

 

4月1日及び10月1 日の基準日併用

 

10月1日から翌年3月31日に入社した場合

  • 最初に到来する4月1日を勤続6月として有給10日を付与。

 

4月1日から9月30日に入社した場合

  • 最初に到来する10月1日に勤続6月として有給10日を付与。

 

これですと、6月ごとに基準日があるので、年一回の基準日の方法よりも入社して6月以内に有給も発生するので、法律の趣旨と近いといえます。

ただ年2回、有給の日数のカウント等の事務作業が発生するため、年一回の基準日に比べると、少し事務作業が負担となるかもしれません。