給与計算・支給でミスがあった

 

もともと給与計算などは複雑な作業であり、労働者数が増えれば増えるほど余計に難しくなります。

また、有給休暇の時間単位での取得など、労働基準法の改正で余計に複雑になっている事情もあります。

会社によっては、給与対象期間と給与支給日が近接していることもあり、この場合時間の余裕のなさが計算ミス等を誘発することはよくあります。

実際には、会社も労働者も気づかず、スルーして時効となってしまうこともありますが、会社がミスに気づいた場合にどう対応するかが問題となります。

 

給与計算ミスを翌月以降に修正するのは違法か?

 

給与計算等でミスがあり、修正しようという場合、多くは、次回以降の給与支給で相殺することとなります。

 

  • 有給休暇日の賃金の支給
  • 労働保険・社会保険の控除ミス(料率の変更に気づかなかったなど)
  • 給与計算ソフトでの操作ミス

 

その他さまざまなミスがあると思いますが、原則次回以降の給与支給で相殺します。

問題は、労働基準法第24条の全額払いの原則等に違反していないか?ということです。

この点については、行政通達が出されています。

 

昭23.9.14 基発第1357号

前月分の過払い賃金を翌月分で精算する程度は、賃金それ自体の計算に関するものであるから、法第24条の違反とは認められない」

 

つまり、給与計算等の賃金計算ではミスがあるということで、翌月の給与支給での相殺は違法ではないということです。

しかしこの通達では「翌月分で清算」となっており、翌月より後での清算には違法性が残ります。

 

給与計算ミスの相殺をさらに慎重に行うには

 

上記のように翌月給与での相殺は違法ではありません。

しかし書類で、「○○の事情で給与計算ミスがあったので、△月の給与支給で清算します」というような説明を該当従業員に行うべきかと思います。

また、その清算する金額が大きい場合には、該当従業員に同意書に印鑑をもらっておくことも良いと思います。

あとあと問題にならないように同意書に印鑑までもらえればまずトラブルにはならないと思います。

特に翌月より後の給与での清算を行う場合には、その違法性を避けるには、労使協定を締結する必要があるかと思います。