有期雇用の退職金

 

通常は

「正社員にのみ退職金を支給する」

というパターンが一番多いと思います。

もちろん有期雇用者にも支給しても違法などといった問題はないのですが、退職金原資が不足するなどといったこともあって正社員に限定することが多いです。

また有期雇用者の場合、正社員とあまりに労働条件が似ていれば、おかしな請求を受けることもあります。

そのため正社員ではないことを法律的に明確にするためにも退職金を支給しないということもあるでしょう。

上記のようにしていても、

「有期雇用者に退職金を支給する羽目になった」

ということもあります。

今回はこれについてパターン化して紹介していきます。

 

退職金規程がルーズだった

 

通常は

「退職金規程などにおいて、支給するのは正社員に限定する規定を置く」

ということが無難です。

しかし自社で作成した退職金規程で運用している場合に、退職金規程を適用する対象者の規定がうまく限定できていないこともあります。

このような場合に、有期雇用者とトラブルとなり、規定上の不備をうまくつかれて退職金を支給するようなこともあります。

 

労働慣行上に問題があった

 

次に多いのが

「労働慣行」

という問題です。

これは以下のページにも紹介しましたが、

退職金トラブルとなりやすい労働慣行

過去に有期雇用者にも退職金を支払ったことがあるような場合に、それが慣行化して就業規則を補完する形で労働条件となることがあるというものです。

この場合、たとえ就業規則や退職金規程に「有期雇用者は退職金の適用はない」としていても支給義務があるとなってしまいます。

ここから規定とともに日常的な運用も法律上の権利関係としては非常に重要であるといえるでしょう。

 

有期雇用の無期化を知らなかった

 

2012年に労働契約法の改正という重要なことがありました。

詳しくは以下のページに紹介しています。

無期労働契約化と退職金

パートタイマーやその他の有期契約の労働者であっても労働契約を5年更新すれば無期化することとなります。

無期化すればどの就業規則が適用になるでしょう?

 

  • 正社員の就業規則
  • パートタイマー規程

 

どちらともいえません。

つまり規程が存在していないこととなります。

もし正社員の就業規則と不幸にもなってしまえば、退職金の支給義務が発生してもおかしくはありません。

私が見ている限り、この点の対応がなされている就業規則はまだまだ非常に少数であって危険であると考えています。