退職金の差押え

 

労働者が

「サラ金で借金がある」

といったようなことがあります。

このようなケースで退職金を支給するといった場合に、サラ金を全額差押えできるかというとそうではありません。

法律上、退職金から差押えできる金額に制限が定められているからです。

今回はこれについて紹介しておきます。

 

民事執行法第152条

 

月例給与の場合、給与の金額によって差押えできる割合が変更されることがあります。

しかし退職金の場合、金額にかかわらず一定の割合に定められています。

 

民事執行法第152条2項

退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の4分の3に相当する部分は、差し押さえてはならない。

 

この条文を見ますとわかりますように、

「退職金についてはその金額の1/4しか差押えできない

ということとされています。

 

差押え業者に退職金を支払って良いか?

 

上記のように制限があることはわかりました。

では次に出てくるのが

「退職金の差押え金額を業者に直接支払って良いか?」

という問題です。

この問題については賃金には「直接払の原則」というものがあります。

この点、業者に直接払うことはこの直接払の原則に違反してしまうとも考えてしまいます。

しかし上記の限度額の範囲内について業者に直接払うことは直接払の原則について違法ではないとされています。

限度額を超えた部分については労働者本人に支払うしかないといえます。

 

会社からの貸付金

 

サラ金などとともに

「会社から貸付金がある」

といった状態で退職となることもあります。

この場合、サラ金か貸付金のどちらが優先されるのかが問題となってきます。

労働者への貸付金を退職金から控除するのは違法か?

でも少し紹介しましたが、会社からの貸付金について控除するには一括返還について契約しておくことが必要となりました。

またこの一括返還についての契約があることで、サラ金よりも貸付金が優先されるということにもなることもあります。