休業補償と退職後

 

雇用されている期間中にこの労災保険の保険給付の受給することができるようになる労働者がいます。

労働基準法第19条によって、業務上事由による休業中とその後30日間には解雇を行うことはできないとされています。

しかし労働者から退職を申し出ることは違法ではありません。

休業補償とは業務上・通勤途中の事由によって負傷・疾病によって

 

  • 療養していていること
  • 労働できないこと
  • 賃金を受けないこと

 

という要件を満たすことで受給が可能となります。

労災の休業補償給付の待期期間」参照。

さて、労働者からすれば大きな問題といえるのが、

「休業補償を受給していたりするときに退職すればその後は受給できるのかどうか?」

ということとされています。

その後の生活に大きく関係してくるので特に関心が高いようです。

 

退職しても休業補償は受給できる

 

結論からいいますと

「退職後も休業補償は継続して受給できる」

ということになっています。

この休業補償は、勤続している会社に付属する権利ではありません。

あくまでもその被災した労働者の疾病などの状況に対して支給されるものです。

従って、休業補償の支給要件を満たしているのであれば退職したかどうかにかかわらず受給していくことができるようになっています。

 

根拠となる条文

 

念のため紹介しておきます。

 

労災保険法 第12条の5

保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。

 

この条文から退職しても労災保険の受給権は変更されないことが明確に定められています。

 

申請手続が遅れた場合

 

また退職中にこの休業補償の申請をできなかったということもありえることです。

この場合、

「すでに退職しているが、その後でも休業補償の申請はできるのか?」

ということが問題となります。

この場合も、上記と同じ条文が適用され、やはり

「退職後でも新たに申請の手続を行うことができる」

となります。

休業補償では会社の署名や印鑑が必要となる書類です。

すでに退職していてこの箇所を記名・押印してくれないということもあります。

会社としては記名・押印する義務はその書類の記載内容が事実であればあるといえますが、どうしても記入しない場合には、その労働者単独で労働基準監督署に申請をすることもできます。

休業補償給付支給申請書(8号)の会社印鑑の法的意味

この場合、「労災隠し」といわれて、書類送検のペナルティーを受けても仕方がないので、しっかりと対応する必要があるでしょう。