労働基準監督署の考え方 「書面を重視する」

 

労働基準監督署の動き方として「証拠」について記載していきたいと思います。

労働基準監督署では、「証拠としてどこまでを認定することが多いのか?」について関心のある方も多いと思います。

労働基準監督署の職員の方と話すとよく感じますが、「証拠」を重視して捜査・調査を行います。

ここでの証拠とは「書面」といった紙ベースでの証拠です。

 

残業代請求での証拠

 

例えば、ある会社に、退職労働者の駆け込みで、労働基準監督署の調査が入ったとします。

長時間労働と、残業代の支払いがないということがその原因だとします。

「まずはタイムカードと賃金台帳を見せてください」と言われます。

労働者の言い分では「月100時間程度の残業があった」となっていたようです。

しかし勤務表を見れば、月40時間程度の残業しかありません。

実はその勤務表は少し話しを聞くと、法的には勤務表ではないようです。

つまり、訪問介護で、出勤前の訪問と出勤後の事務作業の時間が入っていないのです。

あくまでも実際に利用者のお宅にいる時間しか記入していないものでした。

しかし労働基準監督署は、「聞いていた話とは違うようですね。今日のところはこれで帰ります」と事業所には是正勧告も、指導票も発行せずに帰っていきました。

この例からわかりますように、労基署といえども外部から入って会社の実情を掴むのは大変難しいのです。

そのため、口頭ではなく、実際に紙で証拠があるなどした場合には、紙を判定の基準に使うことが多いのです。

 

刑事罰適用での証拠

 

労災保険・労働基準法・労働安全衛生法等ではさまざまな刑事罰の適用があります。

これらについても基本的には上記の残業代のケースと同じです。

まずは、やはり、契約書・朝礼等の業務日報・メール・電話記録簿など実際に紙に残った証拠が重視されます。

口頭で、「○○さんが違法行為をするように指示した」と主張してもなかなか受け入れてくれません。

最近ではボイスレコーダーのようなもので会議・話し合いの記録をつける機械もありますが、まだそれを証拠として採用してくれるかは未知数な部分があると思います。