社労士と団体交渉

 

最近では社外の労働組合とで団体交渉が行われることも多いようです。

業務としてユニオンと交渉に同席したりしている社労士の方も多いですが、この点についてどこまでが社労士が行うことのできる業務となるのかについて紹介したいと思います。

 

全国社会保険労務士会連合会の見解

 

社労士と団体交渉について平成18年に連合会において見解が示されています。

これによれば

 

  • 労働争議に介入することとならない限りにおいて、社労士の指導・相談業務に含まれる
  • 一方の委託を受けて、当事者と出席し交渉することは違法ではない
  • 代理人となるなど弁護士法第72条に反しない限り社労士業務とする

 

となっています。

労働争議とは

 

  • ストライキ
  • ピッキング
  • 怠業
  • ロックアウト

 

といった労働関係調整法第6条に定められた労使争議の行為とされます。

 

弁護士法第72条

 

この条文は士業において非常に重要な条文です。

 

弁護士法第72条

弁護士でない者は、報酬を得る目的で法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りではない。

 

ややこしい内容で、基準も明確ではないので解釈も大変に難しいです。

簡単にいえば、

「弁護士でない者は、紛争に介入し、交渉を代理して(法律事件を)行なうことはできない」

といった内容です。

上記の条文の最後の箇所にあるように「ただし・・・」というところが問題です。

法律において問題となるのは本来ほぼすべてで紛争的な要素があると思います。

そのすべてで弁護士さんだけということではなく、「別の法律などで定められているもの」については弁護士法72条には抵触しないということとなります。

冒頭の連合会の解釈は法律そのものではありませんので、完全なものではないでしょうが、一定の判断基準とはいえそうです。

 

まとめ

 

上記の内容からすれば団体交渉においての社労士の業務としては

 

  • 代理人となること、労働争議に介入することはできない
  • ただし同席し交渉することは可能

 

というようになるといえるでしょう。