休業手当とは

 

休業手当は労働基準法第26条によって定められていて、休業事由が使用者の責に帰すべき場合に支払われなければならないとされるものです。

以下のような場合、休業手当を支払わなければならない事由とされます。

 

  • 使用者の故意又は過失による休業(この休業の場合は、民法第536条の規定により賃金の全額の請求もできる)
  • 仕事がない、製品が売れない、資金調達が困難など経営不振による休業
  • 生産調整
  • 監督官庁の是正勧告による操業停止
  • 資材の不足による休業
  • 会社の設備、工場の機械の不備・欠陥による休業
  • 従業員不足による休業
  • 親会社の経営不振による休業

 

休業手当の金額

 

休業手当の金額は、休業期間中について平均賃金の100分の60以上です。

月給・日給月給・時給制度によって平均賃金の算出方法は異なります。

それぞれ以下の計算式で、平均賃金を出し、以下の式に当てはめて休業手当の金額を出します。

 

休業手当の金額=平均賃金×休業日数×0.6

 

月給制の場合

  • 平均賃金は、該当すべき事由の発生した日以前3カ月間に支払われた賃金総額をその期間の総日数(暦日)で除した金額とされています。

 

賃金が日給若しくは時給の場合

  • 平均賃金は、該当すべき事由の発生した日以前3カ月間に支払われた賃金総額をその期間の労働日数で除した金額とされます。

 

一部時間の休業の場合は

 

資材の調達が間に合わないなどの理由で、1日(8時間労働)のうち半日(3時間)を休業する場合は以下の計算式で休業手当額を出します。

 

一部時間の休業手当額=平均賃金×0.6ー現実の就労3時間の賃金

 

なお、この式で金額が0やマイナスとなる場合は、休業手当の支給は必要ないとされます。

 

休業手当の行政通達等

 

休業手当の支払日

  • 労働基準法第24条2に基づき所定の賃金支払日に支払うべきものと解する。(昭63.3.14 基発150号)

 

一部ストライキ

  • 一部ストライキによって、他の労働者のみでは正常な就業ができず休業しても休業手当の支払いは必要ない。(昭24.12.2 基収3281号)

 

休日の休業手当

  • 労働協約・就業規則等で休日とされている日に休業しても休業手当を支払う義務はない。(昭24.3.22 基収4077号)

 

正当なロックアウト

  • 正当なロックアウト(工場閉鎖)であれば、使用者の責に帰すべき休業に該当しない。(昭23.6.17 基収1953号)

 

労働安全衛生法に基づいた短時間勤務

  • 労働安全衛生法に規定する健康診断実施後の措置として、労働時間の短縮の措置を講じた場合、使用者はその労務提供のなかった時間の賃金は支払わなくても差し支えない。(昭63.3.14 基発150号)

 

派遣労働者の休業手当

  • 派遣中の労働者の休業手当について、使用者の責めに帰すべき事由があるかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。(昭61.6.6 基発333号)

 

解雇予告なしに解雇した場合の休業手当

  • 使用者が解雇予告せず即時解雇通知をしたため、労働者が誤信して予告期間中に休業した場合、使用者は解雇が有効に成立するまでの間、休業手当を支払わなければならない。(昭24.7.27 基収1701号)

 

鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ等による休業

  • 就業制限業務に従事するり患労働者を休業させる場合は、法令に基づく就業制限を遵守するための措置であり、「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しない。(平8.8.9 基発511号)

 

計画停電が実施される場合の休業手当

  • 計画停電の時間における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しない。(平23.3.15 基監発0315第1号)