通勤災害と業務災害の区分の重要性

 

通勤災害の場合は、業務災害よりも大幅に会社の法的リスクは少ないといえます。

業務災害の場合は、通勤災害とは違って以下のようなリスクが生じます。

 

  • 会社に労働者への民事賠償責任が生じる
  • 労働者が労務提供が正常にできない場合になっても解雇がしにくい場合がある

 

通勤途中でも業務災害となる場合

 

  • 事業主が提供しているマイクロバスの利用の送迎中
  • 会社所有の乗用車での送迎
  • 事業主がチャーターしたバス等による送迎
  • 休日に突発的な事故のために緊急に呼び出した場合で、家を出てから事業場に到着するまで
  • 宿泊をさせる場合は、その全行程
  • 通勤途上における業務遂行で、出勤途上では用務を始めたときから、退勤途上では用務を終了するまで
  • 業務命令による用務遂行のため、出勤時あるいは退勤時に、通常の順路を通らず、方向の異なる道を通らなければならないときは、「出張」となり、出勤時は自宅から会社間、退勤時は会社から自宅間全体が業務災害
  • 自宅を出てから複数の用務先を回り、自宅へ帰る場合で、最初の用務先から最後の用務先を回っているとき

 

通勤災害となる場合

 

  • 上司や同僚等のマイカーに乗せてもらったとき(会社所有のバス・車等の場合、業務災害となる)
  • 現場に行く下請けのトラックやライトバンに便乗したとき
  • 会社からの貸与物である自転車・オートバイ・スクーター等での事故

 

就業との関連性と通勤災害

 

平18.3.31 基発0331042号

「業務の終了後、事業場施設内で、サークル活動・労働組合と会合の出席をした後に帰宅する場合は、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となる場合は、(就業との関連がなく通気災害となる)」

 

昭51.3.30 基発2606号

1時間40分の労働組合活動後の帰宅途上での事故を通勤災害と認める

 

昭49.3.4 基収317号

労働組合事務を就業後1時間20分行ってからの帰途途中で、通勤用バイクが野犬と接触転倒して受傷をした事故を通勤災害とする。

 

労働者の住居と通勤災害

 

昭49.7.15 基収2110号

戸建の屋敷構えの玄関先における災害は、自宅敷地内の災害であり、通勤災害ではない。

一方でアパート等の集合住宅の階段等での事故は、自宅敷地内ではないため、通勤災害とされます。

 

昭49.4.9 基収314号

退勤時タイムカードを打刻したあと、事業場施設内の階段における転倒事故は、事業主支配管理下において発生した事故であるので、業務災害である。

 

第3者による通勤途中での事故

 

第3者による事故(暴漢等に襲われた場合等)でも通勤災害となることがあります。

出退勤時刻や、労働者の住居が郊外等で寂しい場所にあったことが原因で第3者によって襲われたという場合は、通勤災害となります。