労災未加入の建設業

 

建設業というのは業務上の怪我がもっとも多い業種の1つです。

しかし今でも労災未加入のまま労働者を使用して経営をしているところもあるようです。

 

個人経営の建設業と労災加入義務

 

法人の場合には労災加入義務があるということはかなり広く認識されているようです。

しかし個人の場合には加入義務がないと思っている方が多いようです。

法的には

 

  • 労働者が1人でもいれば個人でも加入義務がある
  • 日雇い労働者が1人いても加入しなければいけない
  • 一人親方に全員していても偽装請負の場合にはやはり加入しておかないと経営者の人生が狂うこともある

 

ということでほぼ加入義務もなく建設業を経営できるところはないのではないでしょうか?

最近は経費節約で何かと一人親方にしておいて社会保険料を個人持ちにしているところもあるようですが、実態としては完全な偽装請負というところは多いです。

何か事故やケガがあれば行政は非常に厳しい態度で調査してくるので覚悟はしておく必要があるかと思います。

労働省告示第37号 派遣と請負の違いの基準

偽装請負 事例

 

労災未加入での責任転嫁

 

労災未加入で事故やケガをすれば通常は労働基準監督署に手続きして労災保険の給付を申請します。

しかし未加入ということでペナルティーがあるので、会社は労災加入、そして労災保険の申請をしたくありません。

このペナルティーについては以下のページに記載をしています。

労災未加入中の事故や怪我は会社倒産の危機?

このような場合によくあるのが

 

  • 会社が密室で労働者と話し合いをして金銭を渡し労災申請をやめる
  • 健康保険を受給させてやはり労災申請をしない
  • 労災ではないなどと労働者をだまして労災申請をしない

 

というようなことです。

もちろんどれも法的に違法で、発覚すれば大きなペナルティーが会社にあるのですが、実際にはよくあることです。

仮にどの方法でも良いのでうまくそのときに労災申請をせずにごまかせたとしても、後から労働者に労働基準監督署に通報されれば労災隠しとなって行政の調査が入ります。

この通報がなされれば労働者とどのような合意をしていても法律や行政によって裁かれることになります。

多くの場合、経営者は検察庁に書類送検となります。

労災隠しから会社を守る

 

労災保険の加入は経営者の最低の義務

 

労災保険というのはそこまで保険料が高いわけではありません。

これも加入せずに経営するのは、保険をかけずに車に乗って人をひいてしまうことと違いはありません。

厳しいですが経営する資格はないといえるでしょう。

また事故後の労働者の生活費の面倒を見てもみ消そうとする経営者も聞いていますが、高い確率でどこかで破たんをきたします。

 

  • 経営者のお金が続かない
  • 労働者との信頼関係に破たんがきて、労基署に通報される

 

などです。

健康保険で代用するのも違法ですし、また健康保険では自己負担といって労働者に一定の金額病院で治療費を支払う必要も出てきます。

全額保険給付となる労災と比較して補償程度も低いこともあって、このような誤魔化し方はやはり労使での裏切り行為につながりやすいのです。

労災未加入で健康保険を使うのは重大な犯罪行為?

 

労災未加入での対応方法

 

労働者としては労災未加入というような場合には入社するのはやめたほうが良いでしょう。

大きなけがでその後の生活ができなくなると補償がないからです。

会社が面倒を見るといってもその会社にどこまでの補償能力があるかは非常に微妙です。

会社としては一時的にペナルティーを受けるとしても今からでも労災保険に加入し、労働者に補償をしていくしかないでしょう。

こっそりと労働者に補償して隠してもらうというのもいつまでもできることではないと思います。