個人事業主労災未加入

 

法人となると通常は経営意識が強くなり社会保険関係の手続きもそこそこやろうという場合も多いかもしれません。

しかし個人事業主で人を雇用していてもそこまで経営意識がないのかいい加減な社会保険の加入状況となっていることは正直多いです。

とはいっても法律的には個人も法人もなく、法律通りに罰則の適用も受けます。

今回説明する個人事業主での労災未加入で事故という場合には、すでにかなり危機的状況となりえます。

あまり回避策などはありませんので、罰則を受けるしかないのですが、その後の顛末も含めてどのようになるのか説明をしてみたいと思います。

 

個人事業主と労災や社会保険の加入義務

 

個人事業主であれば労災も含めた社会保険の加入義務がないという認識の方も多いのですが、そこまで甘くありません。

 

  • 労災保険は1人雇用した時点で加入義務がある
  • 雇用保険も週労働時間20時間以上の労働者が1人でも出てくれば加入義務がある
  • 社会保険は労働者数が5人以上で加入義務がある

 

と段階的に社会保険の加入義務が出てくるようになってきます。

社会保険の労働者加入条件

つまり1人雇用する時点で少なくても労災保険の加入義務はあるわけで、未加入状態で労働者に事故が生じれば一気に経営危機となるというわけです。

当然その1人の雇用する労働者とは正社員のみならず、パート、契約社員など名称にかかわらず直接雇用している者すべてを含みます。

 

労災未加入の個人事業主で事故が起こったときの罰則

 

労災未加入での雇用している労働者の事故でも

 

  • 業務上事故
  • 通勤災害

 

と2つのパターンがあります。

私生活での事故や怪我は問題ありませんが、結論からいいますとこれら2つの事故では労災保険未加入だと罰則の適用があります。

つまり通勤災害といった業務外でも労災未加入だと非常に危ないということです。

罰則の内容としては

 

  • 故意によって加入していなかった場合には、今回給付される保険給付の100%を事業主から徴収される
  • 重大な過失では40%の徴収

 

とかなりの費用となってくるようになります。

イメージとしては怪我や事故をした労働者の生活保証を個人事業主がするようなものですから、当然経営危機になってくることもあるわけです。

懲役刑などがないのでまだ良さそうなものですが、金銭的保証を必要とするということになります。

 

労災未加入と国保でのごまかし

 

労災未加入の個人事業主でまず考えるのは

 

  • 労働者の国保を使用させて事故などを隠す
  • 個人事業主が労働者にこっそりとお金を渡して生活保証をして口封じをする

 

などということです。

両方とも当然労災未加入の罰則回避にはなりませんし、また労働者に労働基準監督署に通報されれば上記の罰則適用となります。

また2つめのパターンでは労災隠しに該当するので、数年後に労働者に労働基準監督署に通報されれば労災隠しに該当し、書類送検などの罰則適用の可能性も非常に高いといえます。

労災隠しでの刑事責任を負うのは元請・下請のどちらか?

労災隠しから会社を守る

さらに国保使用だと労働者に3割負担の出費が出てくるので不満が出やすく、事業主と話をしてらちが明かないと思われれば通報されるというリスクは残るということです。

 

労災未加入を救済する業者は存在する?

 

人間は予測していない危機にあうと専門家を頼りたくなります。

ただこの手の違法からの救済というのはアドバイスできないわけです。

労災保険の管轄は社会保険労務士になりますが、この手の違法教唆になりかねないものは資格を賭けてアドバイスをしなければいけません。

通常まともな社労士であればこの手の相談にはまず乗りませんし、乗るとしても労働基準監督署に罰則覚悟で相談しなさいとしかいえません。

 

人を雇用するという意識を持つ

 

個人事業主だと売上の確保などお金の面に意識が集中するのは私もよくわかります。

しかし人を雇用するというのはもっと重要なことで、何かあれば社会的責任を持たないといけないということです。

 

  • お金をかけて社会保険にしっかりと加入する
  • 税金も支払って責任を果たす

 

などは当然のことで、生きた人間を管理するという意識を持たないといけません。

すでに労災未加入で事故を起こした場合にはどうにもなりませんが、まだ起こっていなくて心配している状態であればまず明日にでも労災加入の手続きを労基署に行いにいきましょう。

手続きができない、または代行してもらう費用が出せないというのは厳しい言い方をすれば個人事業主として経営する資格がないことを意味します。

労災問題など安全や衛生に関することは国を挙げて重視、管理している分野で、考えているよりも甘くない項目です。