労災未加入で一人親方

 

建設業や運輸業では一人親方という制度がありますが、元請や下請けなど請負関係が入ってきてより複雑になってくることがあります。

今回は自社で仕事をしてもらっていた一人親方が元請の現場で事故をした場合にどのように対応するべきかについて説明をします。

 

建設現場での労災の適用はどこのものか?

 

このような場合に労災を使用すると思えばまず

 

  • 元請
  • 下請

 

のどちらの労災保険を使用するのかということが問題となってきます。

(後述していきますが基本的に本当に一人親方であればまずその保険適用となることが多いと思います)

結論からいいますと労災に関しては、請負金額が1.9億以上かどうかで判断をしますが、たいていの場合には下請の労災保険が適用されます。

詳しくは以下のページで説明をしています。

建設現場ではどこの労災保険が適用されるか?

 

一人親方の労災を使用するのではないのか?

 

しかし一人親方ということで下請けの労災に加入とはなっていないと思います。

故に一人親方となるのですが、ここから一人親方が自分で加入している労災保険を使用するということになります。

非常に怖いことですし、またあってはいけないことですが下請の建設会社で労災未加入という場合もあるのですが、この場合でも一人親方の事故では問題となってこないこともあるということになります。

ただし将来的に自社の雇用している社員などが事故をした場合には相当な法的責任を負うこととなるので、早急に加入しておきましょう。

建設業では特に労災加入というのは経営者としての最低の義務だといえるでしょう。

労災未加入中の事故や怪我は会社倒産の危機?

 

下請と一人親方がともに労災未加入

 

ひどいケースではともに労災未加入という場合もあるかもしれません。

この場合、小さな現場で請負金額が1.9億未満であれば元請の労災が使えます。

しかしそれよりも大きな現場だと基本的には一人親方の保険しかありません。

 

  • 一人親方の労災が未加入で保険が下りない
  • 健康保険を使うのも違法

 

ということで基本的に無保険ですから、後々後遺症などが残れば生活も困難となってきます。

可能性としては年金や生活保護に頼るということしかないのかもしれません。

 

下請と元請は一人親方へまったく責任を負わないのか?

 

建設業界では複雑な請負関係があって今回のような労災事故が起これば基本的にどこも責任回避をしようとするはずです。

一人親方ということで自己加入の労災なので元請も下請も安心と思うかもしれませんが、案外そうではない場合もあります。

というのも昨今、社会保険料の節約の観点からか社員ともいえるようなケースでも安易に一人親方としている場合もあるからです。

この場合、一人親方ではないのでまずいことも出てきます。

結構な確率で一人親方であれ、社員の事故であれ労災事故が起こると労働基準監督署による調査が入ることもあります。

この調査で一人親方ではないとされれば下請がもし労災未加入となると非常に大きな問題となってきます。

以下のページに説明をしていますが、労災未加入から事故が起こり加入をすれば、今回の事故の補償の40%から100%の割合で下請に補償責任が回ってきます。

そのため事故内容によっては数百万といったような金銭が必要となってくるということになります。

労災未加入中の事故や怪我は会社倒産の危機?

 

元請の施設に問題があったのではないか?

 

安全衛生法上元請は一応施設的に注意喚起などしているかもしれませんが、事故の起こりやすい現場というのは正直あると思います。

しかし下請や一人親方として元請の施設管理責任を追及したくなる場合もあるかもしれません。

この点、正直に結論をいいますと元請としては責任があっても逃げることは簡単ではないかと思います。

 

  • 元請の施設に責任があったことの証明
  • 元請が自身の管理ミスを了承する

 

などといったことが必要となってくることが多いといえます。

つまり下請、あるいは一人親方として元請と話し合いをして了承してもらわないとまず民事的にも責任追及が難しいということになります。

 

一人親方か労働者かの境界線

 

問題としては一人親方に労働者性がどこまでないかということです。

以下のページにこの境界線についての説明をしていますが、建設業界ではかなり厳しい条件かもしれません。

労働契約と委託契約との違い

 

一人親方からの建設業界への逆襲

 

いろいろないきさつがあって一人親方として働いているわけですが、

 

  • 一人親方にされた会社を恨んでいる
  • その後生活に困るようになった
  • 一人親方としての労災保険の補償内容に満足できない

 

といったことで退職後に急に労働基準監督署に過去の一人親方時代の事故について相談や通報をされることもあります。

この場合労基署としてはスルーするのかといえばそうでもなく、真実性を感じれば過去の労災事故でも再調査や現場見分をすることもあります。

さすがに労災隠しとして立件されることはないとは思うのですが、下請に調査が入ることはありえると思います。

ちなみに一人親方とはある意味で自分が経営者となっていますが、この点建設や運輸に限らずその他の業界でも個人事業主として仕事をしている場合もこのページにある内容と似たような話になってきます。