契約社員の妊娠、出産、育休

 

契約社員では通常有期労働契約といって期間の定めのある契約内容となっていますが、その途中に

 

  • 妊娠
  • 出産での産休
  • 育児休業、育児休暇(育休)

 

というようなシーンを迎えることがあります。

正社員では上記のすべての権利が法的に保障されていますが、非正規である契約社員では法的にどのようになるのかについて解説をしたいと思います。

 

契約社員で妊娠を伝えれば契約更新はないと言われた

 

これはよくあることではないでしょうか?

契約社員というのは雇用の調整弁ではあるので妊娠を伝えれば契約更新は次回ないといわれるケースです。

妊娠を理由として不利益な取扱いをしてはいけないとされています。

 

男女雇用機会均等法第9条

女性労働者が婚姻、妊娠、出産を退職理由として予定する定め

妊娠、出産に関する事由を理由とする解雇その他不利益な取扱い

 

上記のように同9条では妊娠などを理由とした不利益な取扱いを禁止しています。

ただしたとえば妊娠後に契約満了となっても、別の理由からの更新なしを事業主が証明できればその更新拒否は有効となるということです。

 

契約社員と産前産後休業

 

契約社員についても労働基準法第65条の産前産後休業(いわゆる産休)は普通に適用となります。

つまり

 

  • 産前6週間は女性が請求することで産前休業となる
  • 産後8週間は就業させてはならない

 

となります。

ただし産後6週間を経過し、女性が請求した場合で、医師が支障がないと認めた場合には業務についても良いとなっています。

ちなみにこの産休中とその後30日間は解雇制限期間となり、会社は解雇をすることができないとされています(労働基準法第19条)。

 

契約社員と育児休業

 

育児休業とは1歳に満たない子に関して企業に申し出ることで休業できるものです。

待機児童となった場合には1歳6ヶ月に達するまでの子について育児休業が認められます。

この育児休業の取得条件については

 

  • 日々雇用される者を除く
  • 事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者
  • 子の1歳到達日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者

 

というすべての条件を満たす者となります。

ただし労使協定によって育児休業の適用除外者を設定している場合には、週の所定労働日数が2日以下の者については育児休業の適用除外とすることも可能です。

契約社員の場合には2つめと3つめの条件を満たすと育児休業の対象者となる可能性がかなり高いといえます。

契約更新を何度かすれば1年以上の通算期間となるでしょうし、3つめも1歳を超えて雇用される場合もありえるかと思います。

 

契約社員と産休、育休 現実論

 

法律内容としては上記のようにかなり理想的な内容となります。

しかし現実論としては

 

  • 産休、育休をすれば解雇や退職をさせられることもある
  • 契約更新なしと理由をつけられて育休は与えられないことが多い

 

といった場合がかなり多いかもしれません。

育休などは都道府県労働局が相談機関となりますが、どこまで解決になるかは非常に微妙と個人的には思えます。

調停といった方法となりますが、法的拘束力もないので企業に無視されてしまう場合も多いです。

徹底的に企業と争うという場合には労働審判、訴訟をしなければいけませんが、したところで企業との信頼関係はすでに崩れているのでどの程度居心地が戻るかはわかりません。

そのため現実的な対処方法としては健康保険の出産手当金、出産一時金を狙っていくというような方法となります。

育児休業が取れるようであれば雇用保険の育児休業給付金を狙っても良いと思います。

両方とも受給要件がありますが、特に出産手当金は在職中に手続きをしなければいけません。

そのため加入している健康保険組合によく条件を確認しておきましょう。

下手に動くと後でやり直しがきかないのが保険給付となります。