契約社員から正社員への登用

 

契約社員とは非正規であり、有期労働契約となっていて正社員と比較すれば不安定な勤務体系となります。

契約社員として入社しても、その企業に魅力があればいずれは正社員登用を望むという場合もありますが、その正社員になるかどうかの法律上の基準について今回は解説をしていきます。

 

契約社員が正社員になる法律上の基準はあるのか?

 

結論からいいますと法律上に契約社員その他の有期労働契約から正社員になる法律上の条文、基準というものはありません。

この場合、次に基準とするべきは判例といって裁判での結果です。

しかし不思議と有期労働契約から正社員へ登用するかどうかの基準について争われたケースというのは非常に少ないです。

これは嘱託社員などその他のケースでも同じことがいえます。

嘱託社員は正社員登用されない?その法的基準とは?

つまり明確な法律上の基準はないということであり、その企業内で決められたルールを基準とすることとなります。

 

契約社員が正社員になるときに基準とするべきものとは?

 

企業について就業規則などその企業内のルール、運営上の基準を今回の場合には参考にします。

つまり

 

  • 契約社員に適用する就業規則
  • 個別に締結する労働契約書

 

これらが最大の争点となってくるということになります。

ひょっとすれば就業規則の作成義務もないような小規模事業所もあるかもしれませんが、その場合には

 

  • 口頭での経営者等の正社員登用への言及内容
  • 労働慣行

 

などがルールとなってくる場合もあるかと思います。

労働慣行というのは聞きなれない人もいるかと思いますが、以下のページにも説明していますが「反復継続して行われる取り扱い」といって良いでしょう。

たとえば勤続5年で契約社員にするのが常態化している企業だと、同様の5年が1つの基準に他の契約社員もなりえるというようなことです。

退職金トラブルとなりやすい労働慣行

 

5年で契約社員は正社員に登用しなければいけない?

 

契約社員と5年ということについて勘違いしている人が多いので念のため記載しておきます。

3年、5年など一定の年数で正社員登用をしなければいけないということはありません。

つまり法的には定年まで契約社員であっても違法ではないということで、法的義務としては

 

  • 有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超える
  • 有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、希望したときは期間の定めのない労働契約となる

 

という労働契約法第18条の内容だけです。

この内容は5年と1日以上と通算期間がなった段階で、契約社員が希望したときに限り有期労働契約が無期化するということです。

 

  • 契約社員時代とまったく同じ労働条件でも良い
  • 有期契約でなく無期化させる(契約更新がない)

 

ということでも構わないということです。

正社員と待遇に大きな差があるという場合もある契約社員ですが、特にこの差を埋める義務はまったくないということです。

 

契約社員の更新打ち切りと入社するべき企業

 

上記のように無期化するまでに5年と1日以上、それまでに更新打ち切りということもありえます。

 

  • 更新拒否をされた
  • 正社員の約束を反故にされた

 

などというときにトラブルになるかもしれませんが、この場合には訴訟しか争う方法はありません。

よく挙げられる労働基準監督署は民事にノータッチで今回のケースには関与しません。

そのため訴訟となりますが、訴訟をしても正社員登用の証拠を集めることは非常に困難でしょうし、また勝訴しても企業に戻ることは一層困難です。

つまり何がいいたいかといいますと、入社するべき企業を吟味するということです。

契約社員というのは大企業も都合よく使う傾向があり、雇用の調整弁として活用する傾向があるということです。

口頭で期待させることを聞いていても、いざとなったときに知らないと言われれば証拠もないので争う余地もないことがほとんどです。

それでも契約社員として勤務するのかをよく判断してほしいということです。