家内労働者とは

 

家内労働者とは、自宅を作業場として、メーカー・問屋等の委託者から、部品や原材料の提供を受けて、一人又は同居の親族とともに、物品の製造や加工等を行い、その労働に対して工賃を受け取る人をいいます。

したがって、以下のような場合は家内労働者とはなりません。

 

  • 近所の一般家庭から仕事を頼まれる場合
  • セールスマン、運送などの仕事をする者の場合
  • 大規模な機械設備を使って企業的に仕事を行う場合
  • 常に他人を雇用する場合

 

家内労働での委託者と受託者は請負関係であり、労働契約ではありません。

そのため、家内労働者は労働者ではないとなり、労働基準法ではなく家内労働法が適用されます。

 

家内労働法

 

第1条 家内労働手帳

委託者は、家内労働者との間のトラブルの発生を防止するため、仕事内容、報酬等の委託の条件を明記した家内労働手帳を委託、物品の受領又は工賃支払のつど、家内労働者に交付しなければなりません。

家内労働手帳は伝票式の様式が定められています。

 

第2条 工賃支払の確保

1、工賃は、原則として、現金で、その全額を支払わなければなりません。

家内労働者の同意がある場合には、郵便為替の交付、銀行その他の金融機関に対する預金又は貯金への払込みによって支払うこともできます。

2、工賃は、家内労働者から製品を受け取ってから1か月以内に支払わなければなりません。

ただし、毎月一定期日を工賃(計算の)締切日として定めている場合は、その工賃(計算の)締切日から1か月以内とされています。

 

第3条 最低工賃制度

最低工賃とは、ある物品について、その一定の単位ごとに工賃の最低額を決めるものです。厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域内で一定の業務に従事する工賃の低い家内労働者の労働条件を改善するために必要があると認めるときは、審議会の意見を聴いて、家内労働者と委託者に適用される最低工賃を決定することができます。最低工賃が定められている業種・地域にあっては、委託者は最低工賃額以上の工賃を支払わなければなりません。

 

第4条 安全及び衛生の確保

仕事による災害を防止するために必要な措置をとらなければなりません。

 

第5条 届出

1、委託状況届の提出

委託者は、委託する仕事の内容や家内労働者数などについて、家内労働法にいう委託者になった場合には遅滞なく、それ以後は毎年4月1日現在の状況について4月30日までに、委託者の営業所を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。

2、家内労働死傷病届の提出

委託者は、家内労働者又は補助者が委託した業務に関し、負傷したり疾病にかかったりして、4日以上仕事を休んだり死亡した場合には、速やかに委託者の営業所を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。

 

第6条 帳簿の備付け

委託者は、家内労働者の氏名や工賃支払額などを記載した帳簿を備え付けておかなければなりません。また、この帳簿は最後に記入した日から3年間保存しなければなりません。

 

労災の特別加入が可能

 

家内労働者であって以下に該当する作業を行っていて、家内労働者で組織する団体に属している場合(団体がない場合には、団体を作る)は、労災に特別加入が可能とされます。

 

  • プレス機械、型付け機、型打ち機、シャー、旋盤、ボール盤又はフライス盤を使用して行う金属、合成樹脂、皮、ゴム、布又は紙の加工の作業
  • 研削盤若しくはバフ盤を使用して行う研削若しくは研磨又は溶融した鉛を用いて行う金属の焼入れ若しくは焼きもどしの作業であって、金属製洋食器、刃物、バルブ又はコックの製造又は加工に係るもの
  • 有機溶剤又は有機溶剤含有物を用いて行う作業であって、化学物質製、皮製若しくは布製の履物、鞄、袋物、服装用ベルト、グラブ若しくはミット又は木製若しくは合成樹脂製の漆器の製造又は加工に係るもの
  • 粉じん作業又は鉛化合物を含有する釉薬を用いて行う施釉若しくは鉛化合物を含有する絵具を用いて行う絵付けの作業若しくは当該施釉若しくは絵付けを行った物の焼成の作業であって陶磁器の製造に係るもの
  • 動力により駆動される合糸機、ねん糸機又は織機を使用して行う作業
  • 木工機械を使用して行う作業であって、仏壇又は木製若しくは竹製の食器の製造又は加工に係るもの