嘱託社員と時給

 

嘱託社員の給与は時給という会社も多いかもしれません。

嘱託社員の定義、あるいはその具体的な労働条件は嘱託社員と明記されて法律で定められているわけではありません。

しかし時給をはじめとした給与や賃金については法律での定めがあります。

今回は嘱託社員と時給の関係性をはじめ、給与の法律上の制限について記載していきたいと思います。

 

嘱託社員は時給でも違法ではないのか?

 

嘱託社員になるルートはいくつかあります。

 

  • 正社員であったが定年後に嘱託社員として再雇用される
  • 定年でなくても嘱託社員として契約形態が変わった
  • 入社していきなり嘱託社員となる

 

どのルートであっても給与体系は

 

  • 時給
  • 月給
  • 日給
  • 日給月給制

 

などどの給与体系にしていても違法ではありません。

ただしその給与体系であることを就業規則、労働契約書で明記しておく必要があります。

当然ですがこれらもなく時給にするというのは法的根拠がないので法的有効性も担保できていない可能性もあるということになります。

特に再雇用を除き、契約変更によって正社員などから嘱託社員になるには

 

  • 契約変更になる法的根拠があったり合理的理由がある
  • 不利益変更について本人の合意がある

 

といったような手続きをしていなければいけません。

経営者の都合で就業規則、合理的理由もなくいきなり嘱託社員に格下するのは法的に無効となる場合もあります。

 

嘱託社員の時給はどの程度にするのが相場か?

 

特に定年後の再雇用という場合には嘱託社員の時給はどの程度が相場になるのかということを悩む経営者も多いです。

基本的に法的制限はないのでその会社ごとに判断しても良いのですが、定年前の月給とバランスを考えるところも少ないかもしれません。

そのため定年後については定年前の月給とは独立して決めることが多いといえます。

一般的な傾向としては

「その会社のパートよりも高い時給とすることが多い」

といって良いのではないかと思います。

 

嘱託社員は時給でも残業代は発生する

 

時給や日給となると残業代は必要ないとなぜか考える人もいますが、そのようなことはありません。

年俸制なども含めて残業代が発生します。

部長など役職者に任命しておき、残業代を支払わない企業もありますが、基本的に違法と考えて良いです。

労働基準法の管理監督者に真実に該当する場合だけ残業代が発生しないのであり、部長になっても給与が安い場合には管理監督者とはなりません。

この点については以下のページで説明をしています。

嘱託社員の残業代を計算する方法 実例もあり

 

嘱託社員の時給と最低賃金との関係性

 

時給という場合には当然最低賃金を意識して設定しているかと思います。

もし自分の県の最低賃金を意識していない企業はどうにもなりません。

ただ月平均所定労働時間を使って嘱託社員を固定給のように設定している場合には時給も月ごとに変動する場合もあるかと思います。

この場合、平均した時給が最低賃金以上となっていれば違法ではありません。

月平均所定労働時間と計算方法というのは

 

  • 年間の所定労働時間の合計を出す
  • 12ヶ月で割ることで月ごとの平均所定労働時間を出す
  • 最低賃金にこの月平均所定労働時間をかけて月給を出す

 

こうして出てくるのが月給制度での最低賃金となります。

この金額以上の月給であれば最低賃金において違法性はありません。

所定労働時間の多い月では最低賃金法に違反のように思いますし、また逆に所定労働時間の少ない月では得をしているように見えます。