給与明細というのは法的に企業が発行しなければいけないとされているものですが、再発行をしてほしいと思うときもあります。

このような場合に企業には給与明細の再発行義務というのはあるのでしょうか?

今回は給与明細の再発行についてよくある疑問点についてまとめて解説したいと思います。

 

給与明細発行の義務と法律の根拠

 

給与明細といえば労働基準法に発行義務の根拠のあるというようにイメージする人もいますが、実はこの法律では根拠はありません。

 

  • 雇用保険
  • 健康保険
  • 厚生年金保険

 

これらを毎月の給与から控除するわけですが、この控除についての計算書を発行しなければいけないというのが1つめの根拠となります。

 

(保険料の源泉控除)

健康保険法第167条

3項 事業主は、前2項の規定によって保険料を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。

 

また控除するものとして他には所得税などもありますが、所得税法266条にも給与明細の発行義務の定めがあります。

 

給与明細の再発行義務は企業にあるのか?

 

給与明細の1回目の発行については上のようになっていますが、再発行については法律上の定めがないので根拠はありません。

つまり企業としては再発行をする法的義務というのはないということです。

たとえば紛失などをしてしまったもののどうしても給与明細が必要となるというときには

 

  • 企業にお願いベースで頼む
  • 事情を説明して面倒はかけるものの再発行してもらう

 

というようにするしかないということです。

もちろん法的根拠は再発行については存在しないために断られることもありますし、それについてどうする手段もないということになります。

何かの証明のために給与明細が必要というときには銀行通帳などで証明するしかないというようにいえます。

 

給与明細の再発行事情

 

法律的にはこのようになっているとして、実際の会社の対応はどのようになるでしょうか?

私の知るところでは

 

  • 再発行については基本的にお願いを聞いてくれるところが多い
  • ただし1年間の給与明細の再発行などであれば1枚にまとめて再発行されることもある
  • 2年前など古いものは会社のデータにも残っていないので再発行できないこともある

 

というようになっています。

また離婚などでは配偶者から企業に給与明細の再発行を依頼してくるというケースもありますが、本人以外の再発行の依頼は拒否するところが多いように思います。

 

住宅購入と給与明細の再発行

 

給与明細の再発行について住宅ローンをつけたいというときも多いのではないかと思います。

住宅ローンの場合には給与明細でなくても源泉徴収票(年末に発行してもらう書類)でも通るはずですので、その源泉徴収票が自宅にないか探してみましょう。

通常住宅ローンでは給与明細よりも源泉徴収票のほうを使うことが多いはずです。

また源泉徴収票がなくても、市役所で所得証明を下ろすとまず通用するはずです。

この所得証明は前年度の年末調整で源泉徴収票を元に作成されたものなので住宅ローンでも使えるはずです。

 

確定申告をしなければいけないときと給与明細の再発行

 

また給与明細の再発行を考えるときに

 

  • ダブルワークをしている
  • 年度の途中で独立した

 

など確定申告をしなければいけないというようなケースもあるかと思います。

確定申告でも源泉徴収票を使うわけで給与明細の再発行は特に必要ありません。

退職していなければ12月あたりに、退職していればその退職時に源泉徴収票を受け取るはずなのでそれをもとにして確定申告をしていくようにしましょう。

 

給与明細は捨てても良い?保管するべき?

 

給与明細というのは2年ほどは尾捨てないでおいておくほうが良いといえます。

 

  • 失業保険の受給資格の確認
  • 会社の所得税、年金手続きに不正があったときの証明

 

というようなときに跡から必要となることもあります。

失業保険では2年ほどの給与明細があれば良さそうなものですが、年金では年金受給額が減ったりすることもあります。

年金定期便と給与明細とを合わせて正しいかどうかの確認をしてから捨てるべきといえます。

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