住宅手当についてもトラブルはしばしばありますが、労働基準法的にどうなっているのかというように質問されることもあります。

今回は労働基準法的に住宅手当の解説をしたいと思います。

 

労働基準法に住宅手当の定めはあるのか?

 

意外かもしれませんが住宅手当について労働基準法は特に何の定めもしていません。

そのため

 

  • 住宅手当の制度自体の有無
  • 住宅手当の金額
  • 住宅手当の支給対象者の基準
  • 持ち家と賃貸住宅での金額や支給方法の差別化
  • 一人暮らしでの住宅手当の支給条件
  • 住宅手当受給における証明方法

 

などその企業が自由に就業規則で規定化してルール化すれば違法性はないというようにいえます。

 

労働基準法と住宅手当の支給条件の公平性

 

就業規則などで自由に決めても良いわけですが、その扱いは公平にしなければいけません。

 

  • 就業規則に住宅手当の規定を明示する
  • その規定を企業も必ず遵守する
  • 支給額、条件などで労働者ごとに不平等な扱いを絶対にしない

 

たとえば中小企業などでよくあるのが有能な社員にだけ住宅手当を支給し、退職して欲しいような社員に住宅手当の支給条件に該当していても支給しないというようなこともあります。

このような場合は住宅手当の請求権が発生することもあるので注意してください。

住宅手当では規定化し、その規定を企業も厳格に守るということが重要なポイントとなります。

 

労働基準法と住宅手当の減額

 

また問題となるのが住宅手当の減額や廃止です。

今まであった手当が減額や廃止となるのは労働条件の不利益変更となるので基本的に本人の個別合意がないとできません。

つまり1人1人と話し合いをして合意形成をしなければ減額などはできませんし、仮に合意なく減額などをすれば差額請求を受けることもあるということです。

合意が必要ないといえるのは

 

  • 倒産などの経営危機
  • 整理解雇を検討しなければいけない状況であること

 

というような高度の業務上の必要性が存在するときだけといえるでしょう。

 

役職者と住宅手当の支給

 

企業によっては役職者については住宅手当の支給対象外とするところもあるようです。

役職者だけ対象外とする点において合理的かどうかというのは難しいところですが、役職手当の金額がそれなりの金額であれば問題ないかと思います。

また上でもいいましたが労働基準法的には役職者のみを対象外としても規定自体がないので特に違法性があるともいえないと思います。

あとは

 

  • 役職者のみ対象外とするような就業規則の規定
  • その内容を含めた労働契約書

 

などがあれば良いというようにいえると思います。

 

住宅手当は労働基準法で優遇されている手当?

 

最近は未払い残業代の請求といったトラブルも多くなりましたし、中小企業でも起きても驚かない人も多いのではないでしょうか?

こと残業代という意味ではこの住宅手当は有利といっても良いです。

残業代というのは基本給や手当の金額を月平均所定労働時間で割った金額に残業時間をかけて算出します。

この手当の箇所に住宅手当を含めないから残業代の金額が低くなるということですが、他にも

 

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

 

といったものも残業代の算出では単価に含めないようにされています。

ただし注意して欲しいのは住宅手当なども名称さえ住宅手当としておくと無制限に残業単価から除外できるということではないということです。

 

  • 住宅の形態ごとに一律に定額で支給している
  • 全員に一律に定額で支給している

 

というようなケースでは住宅手当ではないとして残業単価に含めないといけないと判断されることもあります。

残業代請求の問題では訴訟となる可能性も割合あるので就業規則の規定と、普段からの支給金額も本当に住宅手当なのかを判断されても特に不思議ではないとよく理解しておいて欲しいと思います。

他の家族手当などもやはり同様に名称でなく実際の運用方法などは重要ですので、ただ家族手当として支給しておけば残業代の単価に含めないで良いと安易に考えるのは危険といっても良いでしょう。

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