労働時間とは

 

労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」をいいます。

この指揮命令は、明示的なものである必要はないとされます。

黙示的な指揮命令がある場合も労働時間となります。

労働時間については、行政通達そして判例によって以下のような5つの拘束すべてを満たした状態を指すといえます。

 

  • 一定の場所的な拘束があること
  • 一定の時間的な拘束があること
  • 一定の態度ないし行動上の拘束下にあること
  • 一定の業務の内容ないし遂行方法上の拘束下にあること
  • 一定の労務指揮権に基づく監督的な拘束下にあること

 

業務命令と残業代請求

 

上記のような要件を満たした場合は、労働時間となります。

そのためその時間については、法定時間外であるならば、残業代請求のリスクがあります。

指揮命令が明示的に行われている場合(早朝の会議出席の業務命令がある等)は残業となるのは争う余地はないと思います。

問題は、黙示の指揮命令の場合の残業代請求です。

この場合、残業に該当するか、しないのかを判断することは困難です。

判例では黙示の残業命令については以下の2点から判断するとしています。

つまり以下の2つの要件を満たす場合は、残業の支払い義務があるということです。

 

  • 業務の必要性
  • 使用者の残業認容意思

 

黙示の残業命令

業務の必要性

 

昭25.9.14 基収2983号

「使用者の具体的に指示した仕事が、客観的に見て正規の勤務時間内ではなされ得ないと認められる場合の如く、超過勤務の黙示の指示によって法定労働時間を越えて勤務した場合には、時間外労働となる。」

 

使用者の残業認容意思

 

平15.4.25 大阪地裁 野崎徳州会病院事件

「病院医事課職員のレセプト作成の業務については滞納させることは許されなかったため、これらの業務に関して原告が所定労働時間外に勤務してそれらを処理することは命令権者において当然容認されていたというべきであり、被告の黙示の業務命令に基づくものと評価できる。」