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引越しをしなければいけない異動で労働者の住所を決定する権限が会社にあるのか?

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異動と労働者の住所



転勤といった場合などは割合引越しを伴う異動となることが多いと思います。

会社としては


  • 賃貸マンションの借り上げ
  • 社宅の提供
  • 賃貸マンションの家賃の一部負担



などいくつかの方法でこのような場合には対応してくれると思います。

引越しをする場合には、自宅や会社指定のマンションなど労働者として住居の選択肢というのはいくつかありますが、費用的なことで会社の意見と相違することはよくあります。

このような場合に会社と労働者の権利と義務はどのように調整するべきかについて法律的な側面から考えてみたいと思います。



労働基準法と異動費用



あまり知らない方も多いようですが、異動について労働基準法などといった法律では特に定めはありません。

現在多くの会社では引越しや転居を伴うような異動で生じる費用の補てんを行っているわけですが、これは福利厚生の一環ということになり法的義務のあることではないということになります。

就業規則や給与規程、または社宅規程のような社内規定で異動についての費用負担について規定がされていると思いますが、福利厚生ということでその内容に従って決めることが前提となります。

法律上異動の定めはないということですが、就業規則等で規定した内容について企業は遵守義務があるので規定を守らないで不利益な取扱いをすることは違法となります。

不利益な部分については労働者のほうに請求権が生じると考えて良いといえるでしょう。



会社の住宅費用の補助と住所の指定



たとえばある異動について引越しがあったとします。

今までは自宅から1時間30分もかかっていたので勤務地の近くのマンションを借り上げて住むことができるようになっていました。

しかし経費節約の一環で自宅から通勤しなければいけないとなったとします。

この場合、見方によっては自宅を住所地としなければいけないというような住所の指定ともいえます。

憲法によって居住移転の自由は保障されていますので、企業に住所地の指定権はないと考えて良いでしょう。

ただ問題としてあるのは


  • 労働者には住居移転の自由はあるので会社近くのマンションに住む権利はある
  • ただし会社としてその住宅費用を負担するかどうかは別問題



というような考えになるといえるでしょう。



借り上げマンションを勝手に決定された



また自宅から地方に転勤となって、借り上げマンションを決定されたという場合でもこれも住所の指定ともいえないと思います。

そこに住む義務ということではなく、あえて別の住所に住んでも良いのです。

ただその場合の住宅費用はどうなるのかということは福利厚生の観点や就業規則をはじめとしたところから判断するということになると思います。



住宅費用の切り下げも違法



上記の例では1つあえて法的問題を飛ばしています。

就業規則で住宅の補てんについては規定されていて、今までも企業は補てんをしてきたという流れもあります。

これを一方的に引き下げるということはできません。

必ず


  • 就業規則で新しく引き下げた住宅費用の補てん規定に改定しなければいけない
  • かつ労働者の個別同意が必要



ということです。

同意もなく勝手に労働条件を下げることはできませんのでこの点は注意しておいてください。

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