有給休暇の買取

 

有給休暇は入社して6ヶ月で正社員では10労働日も発生します。

6年6か月以上勤務している人については20労働日が1年に発生します。

消滅時効の関係で2年分の有給休暇は残るので、最大で40労働日の有給休暇を抱えたまま退職するということもあります。

大企業はともかく、中小企業の場合、これだけの有給休暇をすべて消化しているということは少ないと思います。

労働者から有給休暇の買取を依頼されたりすることもありますが、このような場合違法とならないようにするにはどのようにすれば良いかについて紹介します。

 

基本的には有給休暇の買取は違法

 

誤解されている方も多いと思いますが、有給休暇の買取は基本的には違法です。

行政通達によって以下のようにされているからです。

 

昭30.11.30 基収4718号

年次有給休暇の買上げの予約をし、これに基づいて年次有給休暇の日数を減じ、又は請求された日数を与えないことは(労働基準法の)第39条違反である。

 

有給休暇はこのように基本的には買取は違法ということとなります。

消化することは難しいかもしれませんが、買取ありきではなく、まずは消化させることが前提ということになっています。

 

法定分を超える有給休暇の買取は違法ではない

 

ただしすべての場合に買取が違法となるわけではありません。

その1つめとして「法定分を超える有給休暇」についてです。

会社によっては労働基準法第39条の日数を超えるような有給休暇を付与していることもあります。

その超えている部分について買取を行うことは違法ではないとされています。

 

退職前での有給休暇の買取も違法ではない

 

またいざ退職となり、退職日が決定するとします。

しかし有給休暇が残っていて、引継ぎなどでどうしても消化できないまま退職となることもあります。

このような場合、どうしても消化できない有給休暇については買取を行っても違法ではないとされています。

詳しくは以下を参照。

退職前の有給休暇消化

このとき逆に

「消化できない有給休暇を買取ことは会社の義務か?」

ということが問題となります。

しかし義務ということまではならないので、買取を行う必要はありません。

あくまでも労使で話し合いを行うことでどのようにするのかを決定することとなります。

 

  • 退職日の決定
  • 引継ぎにかかる日数
  • 有給休暇をどの程度退職までに消化し、残りはどのようにするのか?

 

主に決定することとして上記のようなことがあるといえます。

 

有給休暇の買取拒否は違法?

 

有給休暇というのはこのように在職中にできるだけ消化するということが制度の前提となります。

その例外として有給休暇の買取があるわけですが、買取というのは退職時以外などでは違法となることが多くなります。

買取り拒否をすることが違法かどうかというように質問されることもありますが、

 

  • 買取自体が基本的には違法となる
  • そのため退職時、法定分を超える有給休暇の買取という以外は買取拒否は違法とはならない

 

というようにいっても良いかと思います。

買取を拒否されたというときには企業側としては特に悪いことではないので、それ以上特に何もできません。

退職時でも退職までに消化できるものは消化する、それでも残るときには買取りで合意するというように話し合いをしていかないといけないということになるでしょう。

 

有給休暇の買取での金額相場

 

もし買取となったときにその買取額の相場はどの程度となるのでしょうか?

このページでも説明してきましたように企業側に有給休暇の買取義務というものはありません。

そのため相場以前の問題として買取を拒否されるということもよくあります。

しかも労働者としては買取を強制していく根拠もないので、買取の相場としては話し合い次第で特に基準もありません。

これはあくまでも一般的に今まで見てきた企業での話ですが、

 

  • 通常の有給休暇日の賃金まで出して買取するところは少ない
  • 多くて有給休暇を半額程度で買い取りする
  • 3000円程度での買取という企業も少なくない
  • それ以前にやはり最後まで買取に一切応じない企業も多い

 

というような形といえるかと思います。

有給休暇の残りについてできるだけ多く支払って欲しいという人も多いかもしれませんが、特に相場というよりも買取してもらえるだけ金額は別にしてありがたいというスタンスで良いかと思います。

有給休暇の買取相場としては

 

  • その企業で以前に買取をしたときにどの程度だったのか?
  • どの程度の金額で買取額を決めるのか慣習化しているかどうか?
  • 就業規則や雇用契約書で買取額の記載があるか?

 

というところになります。

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