異動と転勤との違い

 

この両者の概念を勘違いしている人も多いようです。

異動=転勤というように考えている人も多いようですが、実際には違うといって良いでしょう。

労務管理をしている立場の人、または異動命令を受ける人でも勘違いをしていると混乱することもあるのでしっかりと両者の違いを押さえておきましょう。

 

異動と転勤との違い

 

まず結論からいいますと「異動の中の1つに転勤がある」というように考えて良いといえます。

異動には他にも

 

  • 職種変更
  • 担当業務の変更
  • 出張
  • 出向
  • 転籍

 

などいくつかの種類があります。

つまり仕事内容、勤務地、在籍する法人などが変更となるような業務命令一般を異動といい、その中の1つに転勤があるというようになります。

 

転勤とは何か?

 

転勤というのは一般的には「勤務地変更を伴った異動のことで、ときには引越しも必要とする命令」ということです。

勤務地変更ということですが、仕事内容はまったく同じこともあります。

また担当も変更なしということもあるでしょう。

引越しがない場合にはさほど苦労は伴わないこともありますが、通勤時間が長くなることもあってこの場合には退職を考える人もいるようです。

また失業保険の受給についてもたとえば通勤時間が2時間以上になるような場合には特定理由離職者に該当し、失業保険の受給額やタイミングで有利になることもあります。

参照

事業所閉鎖による通勤困難は特定受給資格者に該当するか?

この点、転勤といっても企業が自由に命じるのではなく、ある程度は労働者の通勤にも配慮しなければいけないといった国の方針のようなものがあるといって良いのかもしれません。

 

転勤をなぜ企業は行うのか?転勤の意味とは?

 

転勤といえば大企業では昔からよく行われてきました。

金融業界ではジョブローテーションの一環で3年おきなど定期的に転勤を命じるというようなところが今でもあります。

ただ経費節約の観点で大企業でも昔よりも転勤の頻度は低くなりつつあるといっても良いかもしれません。

さて転勤の意味ですが、

 

  • 仕事上のマンネリを防ぐ
  • 顧客やその地域での密着しすぎてしまうことを防ぎ汚職などを予防する
  • 様々な環境で仕事をさせて従業員のスキルアップ
  • 地域ごとの特徴を把握させる
  • 様々なポジションを体験させる
  • 組織の活性化を図る
  • 転勤によって視野を広くさせる
  • 能力のある人を転勤させて各場所でその良いところを広めてほしい

 

というようなところもあります。

金融では同じ場所で仕事をさせれば癒着も起きやすく、それを予防する意味が大きいといわれています。

別の担当者が入ることでその癒着や不正も暴きやすくなるということもあります。

 

転勤と引越し費用の負担

 

通常、会社都合で勤務地変更を行うのが転勤です。

法的にはその引越し費用といった経費支給の義務は会社にはありませんが、常識的に見れば何かの補てんは行うべきと考えます。

相談の中でも結構多いのが、会社都合の転勤でまったく引越し費用や交通費の負担もないのはおかしいということですが、この場合には違法性もないので

 

  • 自己負担で転勤に承服する
  • 退職してしまう

 

というような選択肢を労働者としては考えることが多いようです。

会社都合の転勤で家賃補助やその他の援助が会社からまったくない

 

左遷と転勤

 

異動の場合には左遷と栄転という意味合いが少なからずあるようですが、今回の転勤についてもこれは該当するといえます。

左遷というような場合に不当な異動かというトラブルもありますが、この場合には労働基準監督署ではなく

 

  • 労働組合
  • 弁護士さん

 

などといったような専門家などを挟んで会社と争うことになります。

 

転勤と長期出張の違いとは?

 

長期出張の異動のある企業もありますが、これは転勤とはまた別の制度となります。

 

  • 長期出張も転勤も勤務先の会社自体に変わりはない
  • 長期出張は上司、所属部署などは変わらないが、転勤は上司や所属部署も変わってしまう
  • 転勤は勤務場所が変わり、長期出張は元の部署にまた戻ることが前提

 

ということでまったく別の制度であることがわかります。

 

転勤と転職との違いとは?

 

転職という言葉もありますが、転職というのは

 

  • 自分の意思で行う
  • 所属する会社も変わってしまう

 

となりますが、転勤は会社命令で行われて、所属する企業自体の変更はないのでまた違うものとなります。

 

転勤と配属の違いとは?

 

この他に配属という言葉もありますが、配属は人事異動の1つでなく入社や転職をしてある部署に就く辞令を受けることを配属されるというようにいいます。

配属は主に動詞のように使うので、転勤とはまったく別の言葉といえます。

転勤である地方のある部署に配属されるというような使い方は正しいといえます。

 

転勤の長さはどの程度?定年まで続くこともある?

 

転勤の長さも気になるところですが、

 

  • 大企業の金融業界では定年までずっと転勤が続くことも少なくない
  • 一般的な転勤であれば3~10年程度が多い

 

というようにいっても良いかと思います。

大企業で総合職といえば幹部候補となり、メーカーでも転勤が前提となるようなところも少なくありません。

 

転勤の労使でのコスト!転勤は無駄も多い?

 

転勤では意味も上で紹介しましたようにありますが、労使ともデメリットもかなりあります。

 

  • 転勤と相性の悪い人は退職する確率も上がってしまう
  • 転勤により友人や家族と離れて精神的な負担が大きい
  • 転勤で引越し費用がかかる
  • 帰省する旅費もかかる
  • 結婚していれば二重生活となり生活費も余計にかかる
  • 家を購入すれば、転勤で賃貸費用も余計にかかってしまう

 

このようなところが気になる人は転勤のある規模の大きな企業ではやっていけないかもしれません。

 

転勤で元の部署や勤務地に戻ることはあるのか?

 

では転勤となってまた元の場所、勤務地に戻ることはあるのでしょうか?

 

  • 大企業では定年までずっと転勤が続き、戻らないことも多い
  • 出世すれば元に戻ることもある
  • 成果が上がらない人はまた別の場所に転勤となり、いわゆる退職勧奨のような転勤が続くこともある
  • 定年が近くなると出身地に近い場所に転勤となり、そのまま退職となることも多い

 

ということで転勤というのは戻ることが前提とならないので、正直いって戻れるかどうかはわからないというようにいえます。

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