傷病手当金の会社の証明

 

健康保険には傷病手当金というものがあります。

最近では長時間労働などによってうつ病を発症し、そのまま退職したというようなケースで傷病手当金を申請する労働者の方が多いようです。

しかし長時間労働といったような業務上事由での発症が疑われるようなケースでは労災保険の申請というのが本来の趣旨です。

会社は労災申請が怖いということで傷病手当金が隠れ蓑にされていることは国も問題視しつつあるので注意しなければいけません。

この傷病手当金は健康保険組合に申請を行いますが、その際に申請書には通常、「会社の署名・印鑑」の記載する箇所があります。

会社によってはこの欄の印鑑・署名も行わないということもあるようです。

このような場合の会社のリスクについて紹介します。

 

労働基準監督署に相談される

 

冒頭でも記載したように、業務上事由での労務不能となった場合には労災保険の適用もありえるとなります。

傷病手当金の申請の署名などを会社が行わないという場合には、労働者は労働基準監督署へ通報することも可能です。

名目としては

「業務上事由による労務不能」

ということです。

この場合、月100時間、月80時間といった時間外労働があれば労災認定を労働基準監督署は行うこともあります。

悪い場合では、労災隠しとなり、会社は書類送検されることもあります。

 

会社の証明なしで申請を行う

 

たしかに傷病手当金には会社の証明欄があります。

しかしどうしても会社が記載をしないという場合には、そのまま記載なしで健康保険組合に申請を行うことも可能ではあります。

ちなみにこの労働者からの相談先としては健康保険協会になると思います。

 

労働局での斡旋

 

会社の証明なしで申請を行うことは可能ではありますが、まずは労働者としては証明を入手する方向で動くことが多いでしょう。

一番多いパターンとしては

 

  • 内容証明で会社に傷病手当金の証明を行うように依頼してくる
  • 無視した場合、労働局に斡旋申請を行う

 

といったものだと思います。

内容証明が送られてきた場合、郵便局がその内容を証明するので会社は「知らない」と逃げることはできません。

また労働局のあっせんは法律的には無視することも可能ではあるでしょうが、傷病手当金の金額によってはその後訴訟の可能性も否定できないこともあります。

訴訟となるとどうしても会社は折れざるを得ないということも多いでしょう。

 

採用するべき対応

 

たしかに傷病手当金の証明を会社が行えば、証明した法的責任について将来的にゼロであるとはいえません。

しかし証明しないばかりに例えば上記のうち労働基準監督署へ通報されて調査を受けたというのも筋が違うように思います。

証明する、しないの判断は難しい(はじめに会社の勤務体制を変更するほうが話は早いでしょうが)のですが、基本的には証明するとしたほうが無難ではないかと考えます。

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