雇用保険未加入の会社に罰則はある?

 

雇用保険に未加入のまま会社を経営しているという場合もあるかと思います。

あって良いことではありませんが、いい加減な会社だと十分にありえる話です。

そこで働く労働者としても退職しても失業保険がもらえないと非常に迷惑な話だと思いますが、今回はこのような場合の雇用保険未加入の会社への罰則やペナルティーについて解説をします。

 

雇用保険に加入義務のある会社とは?

 

まず雇用保険の加入義務のある会社の条件について説明をします。

 

  • 労働者を1人でも雇用する法人
  • 個人事業でも1人でも雇用する事業(農林業、畜産業、養蚕業、水産業を除く)

 

となっています。

つまりごく一部の個人事業を除くとほぼすべての事業で雇用保険に加入義務があるとなります。

有限、合同会社、NPOなど形態は関係なく法人の時点で加入義務となります。

 

雇用保険に加入しているかどうかの確認方法

 

まず労働者側から見て雇用保険に加入している企業なのか確認したいというようになるでしょう。

雇用保険の加入状態はいくつかの方法があります。

 

  • 給与明細で雇用保険料の天引きがなされているかどうか?
  • ハローワークに確認する

 

給与明細に雇用保険料の控除があっても、ごくごくまれにですが、雇用保険料を天引きしておいて社内にプールしているだけでハローワークに支払っていないという悪質な企業も存在しますので絶対ではありません。

ただしほぼ給与明細に雇用保険料の天引きされた記載があれば通常は雇用保険に加入していると考えて良いかと思います。

ハローワークへの確認も社員であることの証明は必要なので身分証は携帯するようにしましょう。

 

雇用保険の未加入でも違法ではない条件とは?

 

会社自体が雇用保険には加入していて、労働者ごとに勤務状況が違ってくるので一定の者は雇用保険に加入させなくても良いということは出てきます。

雇用保険の加入条件ですが、

 

  • 週20時間以上の所定労働時間があること
  • 31日以上継続して雇用されることが見込まれる者

 

の2つの条件を満たすことです。

たとえばパートなどで週20時間未満というような契約であれば雇用保険に加入義務はないということになります。

 

雇用保険未加入の理由

 

会社が今回のように雇用保険に加入しない理由にはどのようなものがあるのでしょうか?

いくつか理由があるのですが、

 

  • 雇用保険に加入する手続きができない
  • 雇用保険に加入する手続きを代行してもらう費用が痛い
  • 毎月の雇用保険料を支払うのが痛い
  • 雇用保険の制度がよくわからない、知らない

 

というのはよくあるところになります。

雇用保険や通常労災保険と同時に加入するのですが、労働基準監督署とハローワークに手続きをします。

何種類かの書類を提出し、新規適用届をするのですが、この手続きがよくわからないということもあるでしょう。

また社会保険労務士に代行してもらえば10~20万ほどかかりますし、そのあとの給与計算で雇用保険料を天引きしていくにも毎月の顧問料もかかってくることが多いです。

 

雇用保険未加入の罰則

 

もし上記の加入義務要件に該当しているにもかかわらずに未加入となっていた場合ですが、その罰則を定めた条文があります。

雇用保険法83条1項に6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金というように決められていますので注意が必要です。

 

雇用保険未加入の会社が罰則を受ける流れ

 

では上記のような懲役や罰金の適用がどのような流れで実施されるのかについて説明をします。

 

  • ハローワークの調査を受ける
  • 労働者にハローワークに通報をされる

 

このような流れで罰則へと手続きが流れていくことがほとんどと考えて良いでしょう。

あとは後述しますように労災保険の未加入からの流れで雇用保険の未加入が発覚するというような場合もごくまれにあるようです。

労働者からすれば退職して次の転職先を見つけるまでに失業保険もないのはかなり大きな負担となってきます。

その場合にはハローワークに通報するという人も最近は昔よりも多くなりました。

会社はハローワークに加入をしていなくても相談や通報は受理されます。

相談内容によっては調査となり、そのまま加入させられるという場合もあるようです。

もちろん時効にかかっていない過去の保険料の納付も必要となる場合もあります。

 

雇用保険を1人だけ加入させるという選択肢はない?

 

失業保険を申請するという段階で雇用保険未加入が問題となってくる場合があります。

労働者側からすれば雇用保険の違法な未加入で困るようになるのは失業後です。

失業保険を受給できずに、再就職までの期間の生活費などに困るというようになることも多いです。

もしその雇用保険の未加入というのが違法であればいくつか是正の方法はあります。

 

  • 会社に伝えて過去にさかのぼって雇用保険に加入させてもらう
  • 会社が手続きをしないときにはハローワークに通報し修正申告をしてもらう

 

会社によっては所定労働時間が20時間以上あっても手続きの漏れがあって違法に未加入の状態となったまま退職となることもあるでしょう。

このときには1つめの方法で対処できます。

しかしそれでもうまくいかないときには2つめの方法を使ってハローワークにサポートしてもらうほうが良いです。

特に会社自体が雇用保険に違法に未加入となっているようであればこの方法がベストだと思います。

 

  • 会社自体が雇用保険に違法に未加入であれば新規適用の是正をしてもらう
  • 自分だけ違法に未加入であれば修正申告で過去にさかのぼって加入させてもらう

 

というようになります。

1人の失業保険のために加入するということは他の労働者の未加入もかなりの確率で発覚してしまうことを意味するので、会社としては出費が大きかったり、またペナルティーを恐れて加入をさせないという場合が多いのです。

(もちろんこのような対応は違法ですが)

おかしな士業にアドバイスを受けて加入申請をしないという会社もよくあるようですが、労働者サイドとしてはハローワークへの通報しかないといえます。

過去に遡って労働者を雇用保険に加入させる方法

 

雇用保険未加入と労災の未加入

 

雇用保険と労災保険とは総合して労働保険と言われます。

労災保険は労働基準監督署の管轄です。

雇用保険というのはハローワークの管轄ですから、管轄機関が違います。

この2つの社会保険は加入時の新規適用、労働保険料の納付など一緒に手続きをすることが多いです。

つまり何が言いたいのかということですが、雇用保険に未加入の企業は労災保険も未加入なことがかなり多いということです。

労災保険ももし未加入であれば業務上の事故などでも保険給付がないということで労働者からすればかなり危険な企業というようにいっても良いでしょう。

同時にこの2つの社会保険の未加入が見つかり、是正しなければいけないということは非常にまれではないでしょうか?

ただ労災保険の未加入が見つかるというのはすでに未加入で事故や怪我が起こっているという場合で非常に深刻なダメージを会社に与えることが多いです。

労災未加入に関しては、以下のページでも説明していますが、その労働者に支払われる保険給付を会社が肩代わりするというものです。

そのため悪くいくと倒産となる場合もあります。

労災未加入での労働災害と通勤災害では会社への罰則内容は変わるのか?

 

 

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