契約社員の期間満了前での退職 依願退職

 

正社員の場合とは違って契約社員の場合、契約期間が有期になっています。

その有期雇用契約が満了の際には退職できるのは当然として、期間途中にも退職しなければいけないことは当然出てきます。

このようなある意味で中途半端な時期に依願退職をすればいつ退職できるのでしょうか?

 

契約期間の長さを確認しよう

 

通常、6ヶ月ごとなど割合短期間の契約が多いのではないでしょうか?

経営状態が悪化しても契約社員は解雇がほぼできません。

基本的には契約期間満了まで待たないと退職させられませんので、短い期間が多いかと思います。

正社員と有期雇用の契約解消の困難度の比較

その場合は良いのですが、たとえば契約期間が1年を超える(つまり1年と1日から)場合には少し注意が必要です。

この場合には、労働基準法第137条によって1年を経過しないと退職ができないとされているからです。

しかしこれは契約期間が1年となっているものまでは適用されない条文です。

現行は契約期間を1年を超えるような長い設定では企業にリスクもあるので(解雇ができないということなど)、そう多くはないかもしれません。

契約社員で契約期間が1年と1日以上長く規定されている場合だけは、退職は契約初日から1年を過ぎないと退職については法律上はできないということです。

(以後はこの1年を超えるパターンについては除いて記述していきます)

 

依願退職の規定を確認しよう

 

まずは就業規則の規定を確認しましょう。

退職の規定の中に依願退職や合意退職といった規定を探していきます。

たとえば

「30日前までに退職の申し出を行う」

といったような規定があると思います。

基本的にはこの規定に従い退職時期は決定します。

退職時期を3ヶ月など非常に拘束するような規定としている会社もあるかもしれませんが、その規定自体に違法性があることもあります。

その場合には労働基準監督署に相談をし、アドバイスをもらいながら退職時期を合意していっても良いと思います。

退職するとわかっている会社に人生を拘束されていても意味はないと思います。

 

契約社員の依願退職と民法!何日前に民法では退職できるのか?

 

退職については就業規則によるというのも1つですが、他には民法を根拠に依願退職の時期を決めるという方法もあります。

まず退職に関しての民法の条文を見てみましょう。

 

民法第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

 

1、当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。

この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

2、期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。

ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

3、六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三カ月前にしなければならない。

 

3項に分かれていますが、契約社員というときには第2項の適用が一般的になるので次期以後についてというように今回の契約期間満了まで民法上は依願退職できないというようになります。

 

契約社員の無期化と依願退職の時期

 

契約社員ということで入社して最初は当然のように6ヶ月など有期労働契約になっていて、その契約を更新していくことになるかと思います。

しかし退職とならないときにはこの有期労働契約を何度も更新していくというようになるかと思います。

しかし労働契約法という法律によって

 

  • 5年を超えた有期労働契約であり
  • かつ契約社員が申出をしたとき

 

には契約社員の労働契約は無期化するようになります。

つまり正社員と同様に契約期間の定めだけが期間の定めなしというように転換されるということです。

この場合には期間の定めのない契約となるので民法627条1項の適用となり、2週間後の退職の適用となることも出てくるでしょう。

ちなみに民法と就業規則では民法のほうが優先的に効力を持つので、30日前などとなっていても民法の第627条1項から2週間後の退職も違法ではないというようになります。

 

契約社員の期間途中の退職とやむを得ない理由

 

契約社員など有期労働契約では労使どちらからも即時の契約解消、つまり解雇や退職となるとやむを得ない事由が必要とされます。

 

民法第628条

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

 

企業側からは倒産の危機などかなりの高度な理由が必要とされますが、契約社員側からはどのような事由が必要となるのでしょうか?

 

  • 会社が賃金を支払ってくれない
  • 職場環境が劣悪で危険を感じる
  • 違法行為を強要される

 

というようなものが労働者側のやむを得ない事由の例とされます。

労使ともかなり高度な事由を求められますので、該当しないときには強引に退職するのでなく就業規則による退職を目指すようにしていくほうが無難といえます。

 

さらに依願退職時期を早める

 

実際には退職するとなってからこのような法律論は通用しないことが多いです。

労働者としては1日も早く退職したいですし、その企業が後どうなろうがどうでも良いことでしょう。

企業としてもやる気もほぼなくなっていて、業務につかれれば手抜きの仕事をされていて後々問題となってくることもあります。

法律論は別にして双方でこのような認識で一致できれば、より早い時期に依願退職を認めてもらうということでも良いと思います。

原則としてその会社の就業規則の規定を基準にしつつ、あとは労使双方での話し合いで臨機に退職時期を決めるということになってくるでしょう。

正直いえば、

「突然契約社員が来社しなくなった」

ということもよくあるかと思います。

就業規則に違反をしているかもしれませんが、それ以上損害賠償を求めることも難しいのではないでしょうか?

建前はあるとしても、交渉する労力や費用(弁護士費用など)も考えれば企業にどこまでメリットがあるかはわかりません。

この点についてはさらに後述もしたいと思います。

 

契約社員と依願退職の妥当な時期

 

正社員、あるいは契約社員であっても期間の定めのないものに転換されていれば就業規則でなく民法第627条1項の2週間後の退職というのも現実的です。

しかし今回は契約社員で5年未満の在職ということも多いかと思います。

この場合は民法が優先されるといっても次の契約更新までとなってしまいあまり意味もありません。

そのため穏便に済ませるのであれば企業と就業規則の退職規定に沿って退職時期を決めることが妥当といえます。

仮に3ヶ月後などあまりにも長い退職時期になっているのであれば、交渉してなるべく早く退職したいと伝えて、企業に退職時期を早めてもらうことに同意してもらうようにしましょう。

 

契約社員と期間途中での退職!違約金も請求される?

 

期間途中で契約社員として退職してしまうと何かペナルティーのようなもの、たとえば会社から違約金のようなものが請求されてしまうのではないかというようにも考えてしまうかもしれません。

しかし通常そのようなことはないはずです。

 

労働基準法第16条(賠償予定の禁止)

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

 

このように賠償予定の禁止ということで期間途中に退職したときには損害賠償や違約金を請求するというような契約を締結しても、その契約自体が違法となる可能性が高いといえます。

そのため契約は無効である可能性は高いですし、労働契約書や就業規則に違約金のような内容の規定がなければさらに期間途中の退職も問題がない確率は高いといっても良いでしょう。

 

契約社員の依願退職と有給休暇の消化

 

契約社員に限らずに有給休暇をできるだけ使いたいというのもよく問題となるところです。

退職時には有給休暇の企業による買取も違法ではなくなります。

 

  • 有給休暇は退職すれば消滅してしまう
  • 企業に有給休暇の買取をしてもらうことはできる
  • ただし企業側には有給休暇の買取義務まではないので買取を強制させることはできない
  • 引継ぎも適性なレベルまで行うようにする

 

このあたりは契約社員の退職時の有給休暇ではポイントとなってくるかと思います。

契約社員の場合には就業規則に従って退職日を決めるわけで正社員の14日よりも長い期間があることが多いです。

引継ぎもある程度して、有給休暇も消化して、残る部分は買取の話し合いもしてというような形になります。

退職時の有給休暇は消化するにせよ、買取してもらうにせよ企業との話し合いが不可欠です。

ここまでしても有給休暇が残るというときにはその部分は捨てるという選択肢も視野に入ってきます。

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