忠実義務違反とは

 

労働者は、主たる義務である労働義務の付随義務として、会社の内外を問わず使用者の利益を不当に害してはならないという誠実義務・忠実義務を負っています。

守秘義務や競業避止義務等の根拠ともなる法律の考え方といえます。

忠実義務は管理職ほど高くなるとされます。

従業員の職種、職務、地位等によって範囲は異なるとなりますが、しかし広く従業員一般に認められる義務と解釈されます。

 

忠実義務違反についての判例

 

解雇の判例

 

昭63.3.4 名古屋地裁 日本教育事業団事件

「自らの地位を利用して傘下の各支社の従業員を勧誘して被告会社から独立し、会社と同種の会社を設立しようとした。

原告は最高級の幹部職員であり、被告に対する高度の忠実義務を負う・・・、被告の一連の行動は被告に対する重大な忠実義務違反であり、懲戒解雇は有効である。

 

背任行為

 

昭53.7.13 東京地裁 後楽園スタジアム事件

「後楽園スタジアムで野球場の業務に従事していた従業員が人工芝敷設工事に関連して不正な金員を受けとったとして懲戒解雇されたことにつきその効力を争った事例。

本件懲戒処分は相当であるといわなければならないとして懲戒解雇を有効とした。

 

競業避止の判例

 

平10.5.29 大阪高裁 日本コンベンションサービス事件

「支社次長にある者が、退職後新会社を設立させるために、従業員の移籍や引き抜きを行い、会社の業務を混乱させたのは、競業避止・忠実義務・善管義務、誠実義務に反して、・・・、会社に対する不法行為に当たる。」

 

その他の判例

 

昭53.6.29 大阪高裁 関西電力事件

「会社外における事実に基づかない、事実を歪曲した会社を中傷誹謗するビラ作成・配布したことについての判例。

これによって従業員の会社に対する不信感を醸成し、ひいては企業秩序を乱すおそれがあるから、会社が制裁を課すことは合理的理由があるというべき。

被控訴人を問責することは憲法21条に違反するものではない。

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